一般社団法人 日本医療情報学会

[2-E-3-05] ヘルプデスク業務の均質化と業務負荷軽減のための対応記録分析

*政岡 祐輝1、永田 悟士1、長野 美紀1、櫻井 理紗1、奈良﨑 大士1、平松 治彦1 (1. 国立循環器病研究センター)

help desk, service improvement, development of human resources, response records

【はじめに】 当センターの病院情報システムは、外部データセンターの仮想基盤上に構築している。そのため、医療情報部のヘルプデスクでは、仮想基盤に関する問合せへの対応も求められる。また当医療情報部は、電子カルテだけでなく部門システムの運用管理や診療情報抽出業務なども担っているため、ヘルプデスクへの問合せ内容は多岐にわたる。HISの円滑な運用・利用のためヘルプデスクのスキルの均質化を図り業務負荷を軽減するための対策が不可欠である。
【目的】 スキル均質化のための教育方針やマニュアル整備など業務支援策を検討するために、対応記録を問い合わせの対象となった機能や担当スタッフなどの面から多角的に分析・比較を行い、ヘルプデスク業務の課題や必要な行為を整理する。
【方法】 対応記録の過去2年分(2021年~2022年)を分析対象とする。分析方法としては、頻出語や入力語の共起関係等をシステム・機能・担当職員など側面から比較分析を行う。分析により必要と判断された行為や業務上の課題を抽出し、対策を検討する。
【結果】 担当スタッフごとの比較結果、注射オーダーの実施・中止の仕方、電子カルテのフリーズ時の対処方法等が共通トピックスとして抽出された。また、ヘルプデスク業務の熟練度によってヒアリング内容や実際に現場へ赴いての確認を行う傾向の有無に違いを認めた。
【考察】 共通トピックスに関しては、FAQ作成や今後のシステム改修の検討に有用な情報である。ただ、繰り返しあらわれることからリモートによりサポートでは把握しきれない状況もあることが類推される。実現場での確認行為が重要性について再確認できた。
【結語】 ヘルプデスクの対応記録を分析することで、ヘルプデスク業務スキルの均質化に向けた対策につなげる有用な情報を得ることができた。