一般社団法人 日本医療情報学会

[2-F-1] 認定匿名加工医療情報作成事業者が保有する医療情報を活用したAI研究の実現可能性の検討

*木村 映善1 (1. 愛媛大学)

本シンポジウムは、厚生労働科学研究補助金(政策科学総合研究事業 臨床研究等 ICT基盤構築・人工知能実装研究事業)大規模データの利活用研究の加速の為の研究(21AC1001)の最終年度での総括的な報告となる。健康医療ビッグデータをこれまでの統計解析手法に加えて AI を適用させることにより、これまでに省みられることのなかった事象に光をあて、医療の質の向上・均てん化・診療支援と医療分野のイノベーションに貢献することが期待されている。この中で認定事業者が提供する匿名加工医療情報の活用に期待されている。しかし、匿名加工医療情報のデータの安全性と、特にAIにおける有用性についての知見に乏しい状態である。そこで本研究事業では、匿名加工医療情報に対する深層学習を中心とした機械学習への適用、差分プライバシーを中心とした安全性の評価、認定事業者間での連携に関するポリシー等の課題について検討、整理することとした。本シンポジウムでは、2年間にわたる研究班の取組に関して、本研究事業の位置づけと次世代医療基盤法と認定事業者の関係の概説、個人のプライバシーに配慮した合成データ生成アルゴリズムの検証、匿名加工医療情報の差分プライバシーと機械学習における有用性の評価、匿名加工医療情報に対して機械学習手法を利用した研究、英国におけるデータのリンケージ、TRE環境の調査報告を行う。そして、会場の聴講者ともに次世代医療基盤法の今後の方向性についてディスカッションする。