Japan Association for Medical Informatics

[2-F-5-02] 糖尿病専門クリニックにおけるPHR利活用の報告およびCGMアプリの使用実態調査

*Dan Sekiguchi1,2, Yasutaka Maeda1,2, Mayuko Morita1,2, Yukie Kurigi1,2, Masae Minami1,2 (1. 医療法人南昌江内科クリニック, 2. 一般社団法人南糖尿病臨床研究センター)

Diebetes Mellitus, Personal Health Record, Continuous Glucose Monitoring

【背景・目的】
近年、糖尿病領域では、患者自身が持続的にグルコース値を測定するCGMや、注入単位の記録・通信を行うスマートインスリンデバイスが相次いで登場し、それぞれスマートフォン向けのモバイルアプリを有する。糖尿病専門クリニックである当院では、各種デバイスおよびPHRの診療への利活用を行っている。また、CGMは、利用環境に応じてアプリだけでなくメーカー製の専用モニターを使用することもできる。各種CGMにおいて、アプリ使用の有無と臨床的背景の関係について検討を行った。
【方法】
2023年6月15日時点で南昌江内科クリニックに通院中の糖尿病患者のうち、18歳以上かつCGMを使用中の者を対象とした。CGMの種類ごとに、アプリ使用の有無と、年齢および2023年に測定されたHbA1cの平均値を比較した。
【結果】
対象はisCGM:377名、rtCGM:133名、SAP:48名で、アプリ使用者は順に269名(71.4%)、108名(81.2%)、13名(27.1%)であった。以下にアプリの使用者と非使用者の比較を示す。平均年齢は順に46.6歳 vs 65.1歳(p<0.01)、39.2歳 vs 53.0歳(p<0.01)、45.3歳 vs 38.6歳(p=0.20)であった。(アプリ使用者の最高年齢は80歳、73歳、88歳) 平均HbA1cは順に7.62% vs 7.82%(p=0.03)、7.75% vs 7.50%(p=0.55)、7.44% vs 7.76%(p=0.21)であった。
【結論】
SAPを除き、アプリ使用のCGM患者は若年だったが、70〜80歳代のアプリ使用者も一定数見られた。また、isCGMではアプリ使用者のHbA1cが有意に低かった。isCGMは定期的なスキャンを要するため、携行が簡便なスマートフォンでの測定が治療に資する可能性が示唆された。