[2-F-5-03] FHIR-based Personal Health Recordの開発
PHR, FHIR, Application
Personal Health Record(PHR)は、個人による日常記録を中心とするStandalone 型、処方や検査値など医療機関のデータを共有するTethered 型、それらを合わせたIntegrated型とに分けられる。今後Integrated型PHRの普及が広まることにより、臨床データと生活情報とを一元化した患者健康記録の充実が期待される。Web関連技術と親和性の高いFast Healthcare Interoperability Resources (FHIR)®はPHRにおけるデータ交換に適した規格であり、筆者らはこれまでStandardized Structured Medical Information eXchange version 2 (SS-MIX2)におけるデータをFHIR形式に変換し、既存の臨床データを共有するとともに、血圧や体重などを新規に入力してFHIR形式で保存するIntegrated型のPHRアプリケーションのプロトタイプを開発してきた。しかし、臨床現場における活用にはさらに幅広いニーズに応える必要があり、既存のあるいは新規に構築される複数のPHRサービスとの連携を視野に入れた対応も必須である。今回、上記を踏まえた新たな機能を追加し、情報連携においても様々な試みを行ったので報告する。具体的には、処方箋QRコードからのデータ取り込みと内服を確認すべき薬剤の選択、健診データ等の手入力対応、DICOM準拠の画像データのアップロードとFHIRを連携に用いたDICOM webによる画像表示、容易に項目追加ができるための個別カスタマイズ設定機能などを実装した。また、他のPHRサービスとの連携を考慮し、OAuth 2.0による認証認可を用いた異なるPHRサービス間のデータ連携や、FHIRサーバ環境を実装する汎用クラウドサービスにおける互換性の検討なども行った。