一般社団法人 日本医療情報学会

[2-G-1-01] 特定機能病院と地域包括支援センターを繋ぐWEBカンファレンスシステム

*渡邊 仁美1、木村 公恵1、寺本 圭1 (1. 鳥取大学医学部附属病院)

Caregiver Support Coordination Guidance, Nursing and Caregiving Collaboration, Community Comprehensive Support System

背景:新型コロナ禍で病院と介護関連事業所との面談が困難となり、介護支援等連携指導料は著しく減少した。2022年度診療報酬改定により情報通信機器等を用いたカンファレンスの要件がみなおされ、医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンスが改定され、掲示による黙示の同意について認められた。
目的:特定機能病院と行政米子市と連携したWEBカンファレンスシステムを構築し、介護支援等連携指導料年間120件/年以上維持する
方法:特定機能病院が米子市と連携し7つの地域包括支援センター、1つの訪問看護ステーション施設を対象にJitsi Meet〜OSSのWeb会議システムをVPN接続とともに設定する。同意については、医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンスに基づく掲示を行った。
結果:電子カルテ情報を共有し、必要時入院中の患者さんも参画したWEBカンファレンスは14件/月実施できた。よって、WEBカンファレンスを導入し、介護支援等連携指導料は年間142件と目標達成した。介護支援等連携指導料は8件/月であったが、導入後は28.5件/月と増加した。導入施設8施設に対する医療・介護連携に関わるICT活用アンケートは6施設から回答を得た。今回導入したWEBカンファレンスシステムについての感想は42件回答があり肯定的意見83.5%、否定的意見16%であった。今後のICTを活用した情報共有やカンファレンスに対し、6施設とも期待しているとの回答であった。
考察:システム導入は、行政のみならず地域包括支援センターを支援している事業所の同意も必要であった。導入後は、介護資源を有する対象者に対し入院前からWEBカンファレンスの日程調整ができる体制が整備できた。今後は米子市と協働で開発しているPHR事業にシステム移行する予定である。