一般社団法人 日本医療情報学会

[2-G-1-03] 外来診療におけるバイタルサイン入力システムの開発
Bluetooth通信機能付きバイタル測定器から電子カルテへのデータ送信・記録

*坪井 忠和1 (1. 岩手県立宮古病院)

outpatient care, Vital Sign automatic input, bluetooth communication

入院患者のバイタルサインを電子カルテに送信・記録するシステムは市販品もあり、当院でも導入している。外来患者のバイタルサインを送信・記録するシステムは、入院患者用システムを運用した例はあるが、専用に開発されたシステムは検索されない。当院では、外来患者のバイタルサインを、血圧計から出力された記録紙や、測定器に表示された値を電子カルテに手入力で記録している。この方法の問題点として、誤入力や測定時間と記録時間の差異などがあげられる。そこで、外来患者のバイタルサイン記録の正確性向上と、リアルタイム記録の課題解決を目的に、通信機能付きバイタル測定器から電子カルテに送信・記録するシステムを、電子カルテメーカー、バイタル測定器メーカーと共同で開発に取り組んだ。開発コンセプトは、電子カルテのバイタルサイン入力画面に、バイタル測定データを無線通信で送信・記録するというもので、置型の血圧計や体重計を使用すること、ペアリングにより通信する測定器を制限し、誤送受信を防止できると考え、通信形式をBluetoothとした。電子カルテ側の受信方法は、開発コストを抑えるため、アクティブ・エイジ社のAVISを受信機として使用した。完成したシステムは、AVISがバイタル測定器から測定値をBluetoothで受信し、作成されたバイタルデータファイルを電子カルテが取得し、バイタルサイン入力画面に表示する。測定者が確認後に確定することで、温度板、カルテ記事に記録する仕組みで、電子カルテから測定器の距離が3m以内で確実なデータ送受信が可能である。システムは2023年3月完成、4月から外来部門6部署で運用開始。使用部署で手入力がなくなりデータの正確性が向上、また、後追い記録ではなくリアルタイム記録となり、即時情報共有が可能となった。