Japan Association for Medical Informatics

[2-G-1-07] 電子カルテの看護記録タイトルの現状調査

*Akemi Tsuji1,2, Kyoko Takaishi1,2, Rikako Matuo1, Mayumi Nishiguchi1, Mayumi Itou3, Takehiro Matsumoto2,4 (1. 長崎大学病院 看護部, 2. 長崎大学病院 医療情報部, 3. 長崎大学病院 医事課, 4. 長崎大学病院大学院 医歯薬学総合研究科 医療情報分野)

Nursing Record, Secondary use, Medical standards

【背景・目的】電子カルテには大量の診療情報が保存されているが、必要な情報へ迅速に到達できているとは言えない。このため各看護記録への適切なタイトル付与は重要である。A病院の看護記録時、タイトルは自動で「看護記録」と付与されるが、他職種と共有する記録、看護介入やその評価に関する記載等にはタイトル付与のルールがあり、適宜付与されている。今回、看護記録のタイトル付与の現状を分析した。<BR>【方法】2021年1月1日~2022年12月31日の看護記録からタイトルを抽出・分析するとともにタイトルマスタを評価した。<BR>【結果】期間中の看護記録は2,766,719件、そのうちタイトル「看護記録」は1,365,844件(49.3%)だった。それ以外の最多は「具体的目標1」378,601件、次いで「地域医療」125,847件であった。A病院では患者参画型看護計画方式を運用しており、目標に沿った日々の評価記録は「具体的目標1,2,3・・・」を付与している。また、入退院支援加算の算定要件である患者家族面談や多職種カンファレンス時は「地域医療」を付与する運用である。2023年6月現在、A病院の看護師のタイトルマスタは80件であるが、抽出された上位100件中、マスタからの選択は28件であった。タイトルマスタ中26件は期間中の使用が10件以下だった。<BR>【考察】約半数の看護記録は独自のタイトルがなかった。さらに、マスタ上の頻用タイトルは35%程度と少なく、有効なタイトル付与ができていないばかりか、自由なタイトル付与の実態も明らかとなった。今後有益な記録の二次活用に向け、タイトルマスタを見直し、タイトル付与基準を適正化する必要があることが示唆された。