Japan Association for Medical Informatics

[2-H-5-01] 医学研究データ取扱ガイドラインの整備と今後の課題

*Itsuko Asada1, Takahiro Imaizumi1, Atsushi Hashizume2, Kazuhiro Nishida3, Takanori Fujita4, Shigeki Matsubara4, Masahisa Katsuno2, Shoichi Maruyama1, Masahiko Ando1, Yoshimune Shiratori1 (1. 名古屋大学医学部附属病院, 2. 名古屋大学大学院医学系研究科, 3. 東海国立大学機構事務局, 4. 名古屋大学情報連携推進本部)

Guideline, Medical Study Data, Open Science, Privacy Protection

【背景と目的 】本学における研究データのオープン化推進および研究不正防止を目的として、研究データ管理基盤の整備を進める中、学術データ基盤整備WGが発足し、2020年に制定されたデータポリシーに基づいた全学部共通の研究データ取扱ガイドラインの策定に着手した。しかし、医学系研究については、データの透明性以外にも、患者由来の個人情報や知的財産を保護するための秘匿性の確保も要求されることから、相反する2つの要求を満たしつつ研究の妨げにならない仕組みの必要性や研究データ保管場所の規則策定などの課題があり、それらの解決のために全学共通のものを補完するガイドラインを策定することとなった。今回はその策定プロセスについて発表する。【方法】始めに現状の整理・分析を行った。範囲は、1.適用すべき規則・ガイドライン等の調査、2.1.に記載されているアクタの整理、3.ストレージ等の調査、4.それらを策定、運用するための組織・基盤とした。次に調査内容と学術データ基盤整備WGでの実施計画について報告した。【結果】報告した結果、規則を再構築・明文化し検討する体制を整えることとなった。ガイドラインの策定・運用の土台となるWGを、研究科長・病院長を筆頭として発足、その下にデータ取扱、研究教育、倫理審査事務の各担当者、医学系研究法務の有識者をメンバーとするSWGを置き、ガイドラインの内容やデータ保管に必要なストレージの整備について実務者レベルの検討を進めることとした。また、学術データ基盤整備WGと連携して、全体の整合性を確保しつつ問題解決を図ることになった。【考察】報告から医学系データを研究者が安心して取り扱うためのガイドラインの必要性を認められ、その制定の基盤構築ができた。ガイドラインの具体的な内容や運用体制、ストレージの使用法などについては、今後の課題となっている。