Japan Association for Medical Informatics

[2-I-1-01] 臨中ネット事業におけるRWD品質検証活動が全国のSS-MIX2標準化ストレージに及ぼす影響について

*Akemi Morohashi1, Satoshi Yamashita1, Hideki Tsutsumi2, Takahiro Imaizumi1, Yachiyo Kuwatsuka1, Masahiko Ando1, Yoshimune Shiratori1 (1. 東海国立大学機構 名古屋大学医学部附属病院 先端医療開発部, 2. 富士通Japan株式会社)

SS-MIX2, Real-World Data, Data Quality, Validation, Rinchu-net project

【背景】Real World Data(RWD)利活用基盤を検討するために、医療技術実用化総合推進事業 「Real World Evidence 創出のための取組み(臨中ネット)」が行われている。本取組みの一環として提案するSS-MIX2サーバ内に格納されたRWDの品質管理手法や検証結果については報告してきた。一方、このような取組みが他施設のデータ品質にもたらすメリットついては明らかでなく、そのような報告は本邦では少ない。そこで、我々は臨中ネット参加施設以外へ与え得る影響について調査した。【方法】臨中ネットの品質検証では、SS-MIX2データと電子カルテデータを突合比較する手法を採用している。本研究では、2020年度と2021年度に実施した突合検証から不整合のあったデータ項目を抽出し、それらのデータ不整合起因の影響範囲が当該施設にとどまるか否かを調査した。影響範囲の調査にはHISベンダの協力を得た。【結果】他施設へ影響を与えた要因には、SS-MIX2送受信プログラムの不備に分類される事案が4件あった。これらは診療日を誤ったSS-MIX2サーバのフィールドへ送信していた事例等など特定の日付情報誤りが該当し、SS-MIX2サーバのバージョンアップによる仕様対応やシステム連携時の定義不備を起因としていた。また、改修されたSS-MIX2送信プログラムは同ベンダ製のSS-MIX2サーバへ適用可能な形式でリリースされていることが確認できた。【結論】臨中ネットでのRWD品質管理モデルは、パッケージプログラムの改修によって臨中ネット以外のSS-MIX2データの品質向上に寄与し、病院のデータ、引いては診療や研究に影響を与えている可能性があると考えられる。しかしながら、これら品質活動はまだ数も少なく、多くの不備が潜んでいる可能性がある。今後、様々な品質活動が広がっていくことを期待する。