Japan Association for Medical Informatics

[2-I-1-03] 多施設からの処方薬剤のデータ収集における課題(臨中ネットの活動の経験から)

*Akiko Sakai1, Toshihiro Takeda2,1, Satoshi Yamashita4, Itsuko Asada4, Naoki Yoshida3, Yasushi Matsumura5 (1. 大阪大学医学部附属病院医療情報部, 2. 大阪大学大学院 医学系研究科 情報統合医学 医療情報学, 3. 大学医学部附属病院 薬剤部, 4. 名古屋大学医学部附属病院 メディカルITセンター, 5. 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター)

data utilization, standardization, SS-MIX2, Real World Data, adjunctive administration

【背景と目的】臨床研究中核病院では2018年度よりAMED事業として、「Real World Evidence創出のための取組み(臨中ネット)」を実施している。この取り組みの中で、大阪大学は取りまとめ校として、コードの標準化とデータ出力をテーマに活動している。本発表では処方薬剤のデータ出力の課題を取り扱う。 【方法】JAHIS処方データ交換規約Ver.3.0Cをベースに処方薬剤のデータ項目を検討した。 【結果】臨床研究では薬剤の成分を特定すること、一日投与量を把握することが必要となる。薬剤の成分は個別医薬品コード(YJコード)で把握することができる。一日投与量、1か月など一定期間における投与量については、模擬処方調査の結果、用法の他に補足用法、処方期間などの情報を組み合わせることで把握できることが分かっている。これらを考慮し、必要な情報が過不足なく出力されるようデータ項目の選定を行った。用法、処方期間、投与量、投与日数については多少の違いはあるものの、電子カルテベンダーや施設のマスタの作り方による記録の差異はなく、規約通りに記録されていることが確認できた。補足用法については、規約では用法と補足用法を反復セパレータで区切って記載することとなっているが、規約通りに記録されていたのは14施設のうち1施設のみであった。ほとんどの施設で補足用法は用法コメントまたは薬剤コメントとして記録されていた。補足用法はスケジュール用法の実投与日数を把握するために必要な要素となる。現時点では補足用法の記録場所が異なるため、データ収集時に補足用法を漏れなく収集し、データ収集後に研究者が補足用法を集計しなおす必要がある。これは、臨床研究におけるデータ収集の課題の一つとなっている。