[2-I-1-05] 院内データの国際的な共同利活用に向けた医療データ標準化の試み〜HL7 FHIR から OMOP CDM〜
FHIR, OHDSI/OMOP, RWD, DWH, phenotyping
RWD活用の機運が高まる中、医療情報の標準規格が注目されている。医療情報連携の標準化のための国際規格であるHL7 FHIRは、相互運用性を担保しやすく、ベンダーニュートラルであるため、本邦の医療機関において実装されつつある。しかし、自由度が高く、個人情報を含むため、多施設での共同研究を実施する場合は、運用方法を都度決めていかねければならない側面がある。一方、OMOP CDMは、個人情報を含まず、個々の症例と受診の紐付けがされており、より分かりやすくするデータ構造を採用していることから、観察研究に適した標準規格として認知されつつある。国際共同研究におけるデータ共有が簡便になることも期待されている。
本研究では、愛媛大学病院の電子カルテ情報を用い、FHIRサーバから医療情報を抽出し、OMOP準拠の DWH に情報を格納するためのプログラムを開発した。表計算ソフトを用いてマッピングおよびコンバートを行い、対応表をもとに変換を実施するプログラムを作成した。OMOPで定義されているテーブルのうち、分析において主要となるPERSON、OBSERVATION_PERIOD、VISIT_OCCURRENCE、MEASUREMENT、およびDRUG_EXPOSUREのマッピングを行った。
YJコード等の日本独自のコードを、粒度の異なる国際標準のコードにマッピングするには、人力での作業が不可欠であるが、一度完成版を作成すれば、他者もFHIR形式のデータをOMOPへ変換することが可能となる。また、CDMの変換は、医療従事者と情報技術者の密な連携が必須であり、実用化までのハードルは少なくない。今般、様々なCDMが提案される中で、最終的な用途に応じて利便性を向上させるCDMが適切に使用できることが理想とされており、本研究の成果は、本邦におけるOMOPの汎用化の一歩であると考える。
本研究では、愛媛大学病院の電子カルテ情報を用い、FHIRサーバから医療情報を抽出し、OMOP準拠の DWH に情報を格納するためのプログラムを開発した。表計算ソフトを用いてマッピングおよびコンバートを行い、対応表をもとに変換を実施するプログラムを作成した。OMOPで定義されているテーブルのうち、分析において主要となるPERSON、OBSERVATION_PERIOD、VISIT_OCCURRENCE、MEASUREMENT、およびDRUG_EXPOSUREのマッピングを行った。
YJコード等の日本独自のコードを、粒度の異なる国際標準のコードにマッピングするには、人力での作業が不可欠であるが、一度完成版を作成すれば、他者もFHIR形式のデータをOMOPへ変換することが可能となる。また、CDMの変換は、医療従事者と情報技術者の密な連携が必須であり、実用化までのハードルは少なくない。今般、様々なCDMが提案される中で、最終的な用途に応じて利便性を向上させるCDMが適切に使用できることが理想とされており、本研究の成果は、本邦におけるOMOPの汎用化の一歩であると考える。