Japan Association for Medical Informatics

[2-I-3-01] 新興・再興感染症データバンク事業における診療報酬情報を含む医療情報収集の取り組み

*Masamichi Ishii1, Kengo Miyo1, Kazuhiko Ohe2, Hironori Ishiwari1, Hiroyuku Hoshimoto1, Shunsuke Doi3, Kazuo Goda4, Naoko Kurimura1, Kazuo Izumi1, Norio Ohmagari1, Wataru Sugiura1 (1. 国立国際医療研究センター, 2. 東京大学大学院医学系研究科, 3. 千葉大学医学部附属病院, 4. 東京大学生産技術研究所)

National Medical Fee Claim, COVID-19, Clinical Registry

【背景】
新興・再興感染症データバンク事業ナショナル・リポジトリ(REpository of Data and Biospecimen of INfectious Disease:REBIND)は感染症法に基づく事業であり、次の新興・再興感染症への備えとして患者同意に基づき収集した臨床情報及び臨床検体からの臨床ゲノム統合データベース構築を通した国内外各種開発研究促進を目的としており、電子カルテシステム由来の臨床情報に加えて診療報酬請求情報の利活用に取り組んでいる。
【提案手法】
以下機能の組合せにより診療報酬請求情報を含む臨床情報収集基盤を構築する。
1)同意(撤回)情報管理機能
2)レセプト電算の日次/随次処理機能
3)レセプト電算形式からの患者別ファイル生成機能
4)SS-MIX2標準化ストレージからの処方、検査結果、病名、入退院移動情報抽出機能(対象は同意日1年前から2年後までの全トランザクション)
5)検体由来ゲノム情報とマッチング可能な、ハッシュ化患者ID生成機能
6)3)4)データの匿名加工機能
なお、ゲノムデータは別途収集される臨床検体(仮名化サンプルIDで識別)のシークエンシング結果として統合データベースへ直接アップロードされるワークフローを経て臨床情報と統合される。
【結果・考察】
提案手法に基づく臨床データ収集基盤をシステム構築して、当センターにて運用を開始した。本手法により医事会計システム、SS-MIX2標準化ストレージから診療報酬請求情報及び電子カルテ由来の診療情報を同時に日々抽出するワークフローが実現された。今後の課題はデータ品質確保を目的としたデータバリデーション機能の実装であり、併せてHL7 FHIRを活用したデータ収集基盤への発展を計画している。
【結論】
REBIND事業において診療報酬請求情報を含む医療情報収集基盤が実現された。