一般社団法人 日本医療情報学会

[2-J-2-01] SS-MIX2動画配信システムにおける見読性を考慮した歯科用マイクロスコープ動画像ビュワーアプリケーションの開発

*冨田 明男1,2 (1. とみた歯科, 2. 株式会社 ムロヤ)

SS-MIX2, Dental Microscope, Petri Nets

SS-MIX2動画配信システムにおける本アプリケーションの目的は,診療時の録画データの閲覧の他,医療従事者間の院外データ共有による顕微鏡治療の技術習得である.
これまでの歯科用マイクロスコープ診療動画データに関わる研究において,
1 保存性は,録画並び付随データ群をSS-MIX2拡張ストレージに階層的に保存,定義ファイルを_contents.xmlとしてXMLで生成,保存させる事で確保する.
2 真正性は,録画時動画データ群のMD5ハッシュ値を生成,付随データとしてSS-MIX2拡張ストレージに保存させ,再生時読み込む動画データのMD5ハッシュ値と同値検証する事で確保する.
以上の実現に至るが見読性は39thJCMIから課題として残る.
見読性を確保する要素として,
1 大容量かつ多量の動画像データを高速処理させるため,メモリーリークやバッファーオーバーフロー等によるクラッシュを防止する.
2 大量のフレームデータ群から閲覧する歯科診療シーンへ効率的にシークさせる.
3 歯科診療中のモニター位置,入力デバイス位置,術者のポジションに対応したGUIデザイン.
以上を考え,さらに感染防止を考慮するデンタルミラーによる非接触入力デバイスに対応したGUIデザインを加味する.
これらを実現すべき評価実験モデルとして,ユースケースに基ずく機能集約とGUIの簡素化を行い,システム原理追随をペトリネットで記載する.
続いて各行程で所定の動作が行えるか否かの検証結果を評価とする方法を提案する.
なお評価用動画データは39thJCMIで報告のCR充填によるう蝕治療の動画データを用いる.
評価実験より簡素化された扱いやすいGUIが作成でき,動作も支障は認められなかった.またカラー認識によるインデックスバーとシークバーの連携により効率よく画像をシークさせることが確認できた.
実験結果より本システムの見読性の確保が示唆された.