一般社団法人 日本医療情報学会

[2-J-2-03] 当院におけるRRS運用改善に係るEWSモニタリングシステムの開発について

*井本 憲佑1 (1. 地方独立行政法人加古川市民病院機構 加古川中央市民病院)

RRS, Filemaker, System Development

【目的・背景】
当院は入院患者の急変にはCodeBlueに相当する運用で対応していたが、病棟看護師等からの要望をきっかけに、急変予兆を未然に検知し救急部門スタッフが出動する、RRS(Rapid Response System)を開始することとなった。運用開始にあたって、EWS(Early Warning Score)を基準とした呼出し・出動の試運用を院内周知のうえ行ったが、約1カ月間の間、病棟からのRRSコール実績が無く、RRSが効果的に運用されていないのではないかと考え、調査を行った。

【方法】
当院では従前より院内にてシステム開発できる環境を整備しており、一般病棟に入院する成人患者を対象として直近のバイタル情報やEWSの値を縦覧表示するシステムをFileMakerにて開発した。RRS管理者がEWSの値を定期的にモニタリングし、基準値を超える患者のカルテを確認するほか、必要に応じて担当病棟に問合せを行うこととした。
なお、当システムはRRS管理者のみ使用し、EWSスコア把握および担当病棟等への状態確認をする際の参考情報という位置づけとした。

【結果・総括】
当該システムを用いることで、ハイリスクとされるEWS:7以上患者が0.59%(1日平均3.4人)いることが確認できたが、いずれもRRSコールされておらず、主治医団のコールや事前の包括指示で対応していたことが分かった。また、EWS項目として呼吸回数があるが、21.1%しか入力されていない(生体情報モニタ自動取得含む)ことが判明し、要改善要素の洗い出しを行うことができた。 当院ではRRS運用を開始して間もないことから、コールが定着していない可能性があるが、今後も当システムを基準としたモニタリングを継続および改善し、当該チームの活動に役立てたい。