Japan Association for Medical Informatics

[2-J-2-04] 医療相談業務効率化を目的とする「医療相談管理シート」作成への取り組み

*Rie Ueno1, Takaya Narukawa1, Muneaki Sasaki1, Yuka Hakooka1, Masamitsu Tsubaki1 (1. 愛媛県立中央病院)

Robotic Process Automation, Standardization, Efficiency, Regional Medical cooperation, medical consultation

【目的】 地域医療連携室では、看護師および医療ソーシャルワーカーが担当する患者に対してさまざまな医療相談業務を行っている。 患者の状態や相談内容に応じて、経過をみながら相談業務の管理が必要である。そこで、スタッフ各個人が個別で手入力している情報を電子カルテシステムからRPA(Robotic Process Automation)を活用し、自動で基本的な情報を取得することにより、医療相談管理シートの標準化と業務の効率化、スタッフ間の情報の共有化を行うことを目的とした。 【方法】 各個人が作成しているシートの項目を抽出し、共通項目をもとに電子カルテに存在する患者情報及び相談業務の管理上必要な項目記入欄を作成する。 スタッフに標準化のシートの活用に協力してもらい、メリット・デメリットを確認する。 【結果】 手入力によるシート作成では1患者あたり約3分を要していたが、RPAにより自動で反映されるようになり業務時間の短縮ができた。しかし、患者情報が正確に反映されない、システム負荷が高くなる等、様々なエラーが発生しており、安定稼働の対策が必要であった。 【考察】 医療相談管理シート作成に要する時間として、年間約195時間の時間短縮が図れ、業務の効率化につながった。医療相談管理シートの作成により、患者情報収集がしやすく、新しい職員にも業務を伝えやすくなり、業務の標準化につながった。 看護師は患者情報の収集に時間を要することが多いが、患者対応などに時間を活用することができるようになり、医療安全や医療の質向上に貢献できる。 【結語】 今後、地域医療連携室以外でも看護業務の1つである患者情報収集の改善になると考えられた。