一般社団法人 日本医療情報学会

[2-J-2-05] 病理診断ガイドアプリケーション用マスタ作成支援システムのデータ構造の可視化

*望月 丈瑠1、中西 陽子2、五味 悠一郎1 (1. 日本大学理工学部, 2. 日本大学医学部)

Pathological diagnosis, Visualization of master data, Tree diagram, Master data creation support

病理診断で用いる情報は臓器やがんの種類によって異なる上に分散しており、頻回に改訂されるため、病理医の負担の大きさが問題となっている。先行研究では、病理診断業務の効率化を支援する目的で、分散した情報の集約を試み、適切な検査項目を簡便に提示する病理診断ガイドアプリケーションを開発した。データの充実と信頼性の点からもマスタ作成の効率化と適切な管理は重要な課題であることから、マスタ作成支援システムの構築を行った。また、実用性向上のために機能を追加してきた。
 本研究では、マスタのデータ構造の可視化に取り組んだ。現状のシステムはWebアプリケーションとして構築しており、マスタ内容確認ページはデータが羅列されているだけのため、データの関係が分かりづらい。この問題は、マスタのデータ構造を可視化することで解決出来るのではないかと考えた。マスタのデータ構造を可視化するにあたり、現状のマスタデータは CSV 形式で保存しているため、構造化したデータとして抽出できるようにマスタをCSV 形式と JSON 形式とで相互変換できるよう改修した。その結果、CSV形式で保持していたデータをJSON形式に変換し、構造化したデータとして抽出できるようになった。また、JSONとして保持しているデータをCSV形式に変換して、病理診断ガイドアプリケーションへアップロードできるようになった。
 その後、マスタ入力担当者(利用者)を対象として、マスタデータを羅列して表示したページと構造化して表示したページを比較してもらい、アンケートを行った。その結果、データの関係が分かりづらいという問題は改善された。マスタデータを構造化することにより、データの関係を視覚的に理解出来るようになったためだと考えられる。
 本研究により、データ構造を可視化したマスタ作成支援システムの有用性が示された。