Japan Association for Medical Informatics

[2-J-3-02] AIを用いた糖尿病患者に対する食事提案システムの開発

*Xiao Shan1, Masato Tagi1,2, Hiroyasu Mori3, Munehide Matsuhisa3, Jun Hirose2 (1. 徳島大学病院, 2. 徳島大学大学院医歯薬学研究部, 3. 徳島大学先端酵素学研究所)

Food Identification, Calorie Estimation, Residual Neural Network, Food Recommender System, Graph Convolutional Network

糖尿病は治療や発症予防において生活習慣の改善が有効であり、自己管理を行うことが重要である。しかし、自己管理指導を受けるタイミングは一般的に医療機関を受診する際に限定されており、患者が健康な生活習慣をコントロールするための自己管理評価を日々の生活、特に食事に反映することは困難である。そこで本研究では、糖尿病の食事管理を改善するために、患者個別に最適な食事を提案する機能を有するシステムを開発することを目的とした。
人工知能(artificial intelligence:AI)を用いて公開データベースを使って①食事画像からエネルギー量と栄養素量を推定する画像分析モデルと②テストの身体データと運動データに応じて必要なエネルギー量を算出して食事を提案するモデルを開発した。
食事画像分析モデルでは、Residual Neural Networkを用いて食事画像から料理名とエネルギー量を識別した。料理名の識別の正解率は91.5%で、エネルギー量の識別の平均絶対パーセント誤差は20.3%だった。食事提案モデルでは、テストの身体データと運動データによる適切なエネルギー量とGraph Convolutional Networkを用いて食事を提案するシステムを開発した。提案のArea Under Curveは0.7756で、Normalized Discounted Cumulative Gainは0.662で、Recallは0.0983だった。
開発した食事画像分析モデルと食事提案モデルは、評価項目において既存アルゴリズムより精度が低かったので、精度改善を図る必要がある。さらに、③事前に嗜好やアレルギー情報を登録して食習慣に合う食事内容を推測するユーザーモデルを開発し、3つのAIモデルを統合して、適切な食事を一週間まで提案できるシステムを構築し、精度を検証したい。