Japan Association for Medical Informatics

[2-J-4-01] GS1コードと生成型AIを利活用した対話型機器情報提示スマートフォンアプリケーションの開発

*Kazuma Ishimoto1, Toshikatsu Washio2, Yoshiaki Yamagishi3, Masuo Kondoh1, Tatsuhiko Arafune4 (1. 大阪大学 薬学研究科, 2. 産業技術総合研究所, 3. 大阪大学 医学部附属病院, 4. 東京電機大学 理工学部)

GS1, Artificial Intelligence, Generative AI, GTIN, Smartphone App

【背景】現在,多くの医薬品・医療機器についてGS1コードが容器等に表示され始めている.また,令和3年8月1日の薬機法改正に伴い,我が国において医薬品・医療機器の添付文書が電子化されている.さらに,それらは,GS1コードが保持し,国際標準の商品識別コードであるGTINを用いたリダイレクトシステムで紐付けられ,情報公開がなされている.機器の情報については,(1)患者が処方された医薬品や在宅で使用する医療機器について専門的知識の不足から不安を感じても,知りたいときにいつでも医療従事者に問い合わせる訳では無い,(2)経験の浅い医療従事者が時間的制約や訪問診療等の環境的要因から,機器についての詳細を他の精通した医療従事者に聞くことができず,添付文書や説明書から必要な情報を得ることが叶わない状況がある,といった課題がある. 【目的】そこで本研究では,GS1コードを利用し,医薬品・医療機器について患者自身や医療従事者が知りたい情報が簡便かつ正確に得ることができるスマートフォンアプリの開発を目的とした. 【方法】開発したアプリケーションでは,まずカメラ機能で対象となる医薬品・医療機器に表示されたGS1コードを撮影することでGTINを抽出する.次に,PMDAが公開している添付文書電子化に関する技術的情報を用いて,GTINからリダイレクトされた当該医薬品・医療機器の添付文書PDFや関連文書ファイルを取得する.ChatGPTをエンジンとする生成型AIに取得した文書ファイルを読み込ませることで,文書の情報を根拠として,患者や医療従事者からの任意の質問に対して正しい情報の回答を生成し,対話形式で必要な情報を得られるアプリケーションを開発した. 【結果】これらの複数の機能を1つのアプリケーション内に実装し,GS1コード読み取りから対話までをワンストップで実行できるようにした.