一般社団法人 日本医療情報学会

[2-J-4-02] RRS要請予測システムの構築(その1)

*後藤 芳美1、下村 剛1、竹中 隆一1、藤本 和之1、芝田 香織1、緒方 暁子1、高橋 俊子1 (1. 大分大学医学部附属病院)

Hospital Infomation, Rapid response system, System Construction, Information Analysis

【背景】当院では迅速対応システム(RRS)を導入し集中治療部および高度救命救急センター病棟から転出後1日目にラウンドしている。他施設ではRRS要請予測を行っている事例が報告されている。そこで、RRS要請予測システム構築の検討を開始した。【目的】患者の急変の前兆を把握するため電子カルテデータから早期警告スコア(National Early Warning Score: NEWS)または修正早期警告スコア(Modified early warning score : MEWS)のどちらかを用いて予測できないかと考えた。【方法】調査期間:2020年4月から2023年3月。対象患者:集中治療部および高度救命救急センター病棟以外に入院していた患者30890名。方法:期間中のバイタルデータなどから日々のNEWSとMEWSをスコアリングしリスク分類を算出した。ただし、意識レベルを登録する運用が確定されていないため、意識レベルは除外した。これに電子カルテに登録されたRRT要請・対応またはハリーコール要請・心肺停止記録を抽出しRRS要請率を比較した。【結果】期間中の要請数は123件であった。NEWSの点数別の結果は、5点以上を要請予測とすると感度:65%特異度91%、7点以上を要請予測とすると感度:43%特異度96%であった。MEWSの点数別の結果は、4点以上を要請予測とすると感度:35%特異度95%、5点以上を要請予測とすると感度:22%特異度97%であった。【結論】急変前兆を察知するため過去24時間以内のNEWSスコアを算出するシステムを構築することは有用である。意識レベルを看護記録として残す運用の検討が必要である。