一般社団法人 日本医療情報学会

[2-J-4-03] 医療機関向けスマートフォンサービス導入による医療DX

*福留 雄策1、山口 純和2、赤坂 将平3、関上 武智4、上田 進也5 (1. 医療法人徳洲会 鹿児島徳洲会病院, 2. 医療法人徳洲会 湘南藤沢徳洲会病院, 3. 医療法人徳洲会 仙台徳洲会病院, 4. 医療法人徳洲会 館山病院, 5. 医療法人徳洲会 札幌東徳洲会病院)

Medical DX, SmartPhone, Business Improvement, Digital Transformation

背景・目的
2020年7月末に公衆PHSサービス終了に伴い、院内PHSについても対応可能機種の縮小が予想される。医療の複雑化・多様化により、病院職員間で共有すべき情報量が増え、院内PHSによる通話を主体とした情報共有に限界を感じており、新たな院内通信機器を模索した。鹿児島徳洲会病院では、「看護師・医師の働き方」の医療DX(変革)を目的とし、機能の充実・汎用性が高いスマートフォンでの院内PHSを検討。様々なベンダーの提案の中から、パッケージで提供しているフロンティアフィールド社製「日病モバイル」(以下スマホ)を2021年12月に導入した。

方法
スマホの実装機能として、①チャットによる一括連絡、②出勤者がわかる電話帳、③電子カルテの閲覧及び実施、④院内イントラネット活用による情報共有やPDF・動画マニュアルの閲覧、⑤Bluetooth機能を活用した電子カルテとのバイタル情報の自動連携、⑥医療情報を掲載した診療マニュアルの閲覧、⑦ナースコール及び見守りカメラとの連携、⑧緊急通報、⑨館内放送 を活用して、院内の医療DXを進めた。

結果・考察
スマホは院内PHSより操作性が大きく異なる。そのためITリテラシーの低い職員のために、半年間にわたり段階的導入を実施したことにより、院内PHSからスマホへの移行はスムーズに実施できた。スマホの取扱い及び運用ルールを作成し、全職員と誓約書を締結した。スマホの実装機能の満足度を職員にアンケートを実施したところ、業務改善・効率化につながったと答えた回答者が約6割に上り、導入効果を感じられた。しかし、操作方法の習熟不足の職員からは多機能による不満も出ており、操作性向上の課題が残っている。その反面、機能追加要望も職員から出ており、更なる業務改善・効率化を目指し、医療DXを進めたい。