Japan Association for Medical Informatics

[2-J-5-04] 月次変動損益計算書作成のための診療報酬と診療材料ファイルの前処理方法

*Hiroshi Demachi1, Kentarou Mochizuki1, Hirokazu Shimanouchi1, Megumi Iida2, Hnanae Takata2, Kouji Minatoya3, Kimihiko Narakino3 (1. 富山県立中央病院, 2. 富士通株式会社, 3. 富士フィルム医療ソリューションズ)

Variable income statement, Variable costs, Contribution margin , Preprocessing

【目的】月次変動損益計算書(変動費を薬剤並びに診療材料の支出と定義し、収益から変動費を減じて算出)を算出するための収支データに加える前処理方法とこれの妥当性を報告すること。【対象と方法】医業収益は入・外来EF統合ファイル(医科および医科以外)、Dファイルとした(以下診療報酬ファイルとする)。薬剤の支出は薬剤マスタと入外来EF統合ファイルの薬剤を突合させて算出した。診療材料の支出は手術、血管造影、内視鏡のオーダーと紐づいた診療材料明細ファイルを用いた。病院の組織を、外来、入院、麻酔、手術、放射線、血管造影、放射線治療、検査、輸血、内視鏡、薬剤、栄養管理、化学療法、血液浄化、リハビリ、間接の16部門とこれを細分した室に分類した。同一患者で同一日の同一データ区分かつ同一部門・室でおこなわれた診療行為の収支をAccountと定義した。変動損益を計算する前処理として、事前に用意したマスタに基づいて、データ区分、解釈番、レセプト電算コードで部門・室に割り振り、診療報酬ファイルと診療材料明細ファイルで患者ID、実施日、部門が合致するものを同一Accountとする前処理をおこなった。このデータを用いて、2022年8月の診療科並びに部門・室ごとの月次変動損益を表計算ソフトウエア(エクセル)を用いて計算して整合性を検証した。 【結果とまとめ】手技金額、行為薬剤額 、行為材料金額、薬剤購入額、材料購入額は、それぞれ1,564,088,004円、522,912,020円、178,741,540円、586,779,395円、262,994,434円、変動損益は1,415,967,735円と算出された。支出が不適切な部門・室に分類された金額は638,046円で、支出ベースで0.1%の不適切変換となった。十分な精度で月次変動損益が算出できる適切な「データの前処理」とみなせた。