Japan Association for Medical Informatics

[3-A-1] A Vision for the Utilization of Medical Data in Japan - Where should we go next?

*Yasushi Matsumura1 (1. Osaka National Hospital)

本セッションは、日本の医療データ利活用の在り方について、日本を牽引しておられるお二人の著名な先生にご講演を頂き、医療情報に関わる我々が、次に向かうべき方向を理解し、考えるきっかけになることを期待し企画した。
 笠貫宏先生は、東京女子医科大学循環器内科学講座教授、同大学学長を勤められ、現在はMedical Excellence Japan(MEJ)の理事長を勤められる。MEJは、日本の医学医療の発展のためには電子カルテ改革を推進する必要があると考えられ、日本の政府、行政に働きかけてこられた。その結果、自由民主党から「医療DX令和ビジョン2030」が発出され、医療DXが加速するきっかけを作られた。本講演では、電子カルテ改革が必要と考えられるようになった背景、電子カルテ改革によりどのような課題を解決させ、日本の医療DXがどこに向かうべきとお考えなのかを聞かせ頂く。
 森田朗先生は、東京大学大学院法学政治学研究科教授・公共政策大学院教授として公共政策を研究され、厚生労働省中央社会保険医療協議会会長も務められ医療政策にも詳しい先生である。現在、次世代基盤政策研究所の代表理事として日本の次の政策を研究するグループを率いておられ、その中で医療データ活用の政策を重要課題の一つとして研究されている。個人情報保護の方向と医療データを活用していく方向は本質的には対立するため、そのバランスの取り方が難しい。ヨーロッパでは、個人情報の保護を強化する方向から医療データを有効に活用する方向に変えていこうとする動きがあり、EHDS(European Health Data Space)構想が打ち立てられた。森田先生は、こうしたヨーロッパの動きを調査した上で、日本はどのような方向性を打ち出すべきかを検討され、行政を指南しておられる。医療データの二次活用のあり方について森田先生のお考えをお聞かせ頂く。