Japan Association for Medical Informatics

[3-A-5] Topics on the secondary usage of Medical Information in the United Kingdom and Malaysia

*Eizen Kimura1, Emily Jefferson 2, Nuraini Naim3 (1. Ehime University, 2. Health Data Research UK, 3. Kyoto University)

次世代医療基盤法によって医療等情報利活用の可能性は拓かれつつあるものの、医療分野以外からの各種情報とのリンケージ、機械学習を想定したデータにかかるレギュレーション、サイトビジットやそれを利用する者の資格についての具体的な議論は途上である。
 そこで、本シンポジウムでは、今大会のメインテーマである「医療情報の安全な流通と活用」に沿って、英国とマレーシアでの医療等情報の活用状況について紹介し、わが国での取り組みの参考にしていきたい。
 英国は国民保険サービス(NHS:National Health Service)によって、広く医療情報が収集されており,行政に関する情報とリンケージした研究も推進されている。このようなリアルワールドデータを利用した研究活動の中核となっているのは、信頼された研究環境(Trusted Research Environments:TRE)(あるいはSafe Havensとも呼ばれる)である。このTREやSafe Havenの取り組みについて、Health Data Research (HDR) UKで精力的に活動されているEmily Jefferson教授/CTOからご紹介頂く。
 マレーシアは公的部門と民間部門に医療制度がわかれている。公的部門においては,保健省(Ministry of Health:MoH)は現在、全国で146の病院と約3,000の診療所を運営している。第6次,第12次マレーシア計画を経て国家的なEMRプロジェクトが導入されている。しかし,民間医療部門はカバーされておらず独自にEMRを導入しているため,公的・民間を越えた全国的なEMRの導入は、取り組むべき課題として残っている。この状況についてMoHで勤務され,様々な現場を経験されてこられたMuhammad Naim Nuraini Binti医師から概説いただく。