一般社団法人 日本医療情報学会

[3-B-1-05] FHIRに準拠したシステムの社会実装における利点と課題

*鳥飼 幸太1、野口 怜1、齋藤 勇一郎1 (1. 群馬大学医学部附属病院システム統合センター)

Medicine Traceability, Hospital Information System, Image Recognition, Robotics Automation, Local 5G

群馬大学医学部附属病院では2022年10月のシステム更新に際し、電子カルテからFHIR形式にマッピングして出力する機能(In-Process Clinical Intelligence)を実装している。院内FHIR化は2020年6月に薬剤の薬剤オーダならびに疑義照会機能をREST/JSON/FHIR化して実装している。この疑義照会機能を拡張する形で、院内外の薬剤トレーサビリティに対し、院外薬局からの疑義照会、トレーシングレポートの送受信APIを作成でき、薬剤/飲み殻識別、院内ロボット試験運用を含む実証に繋がった。FHIRフォーマットは、最初期の理解には時間がかかるが、複数ベンダーが介して情報交換を進める必要が生じた際には、独自に検討する時間を短縮する「ベース基準」となって役立ち、キックオフから接続テスト、実証を含めて6ヶ月の期間で収めることができた。FHIR化は院内Web化の延長に存在するものであり、前述した最初期の理解負担の大きさが課題として存在している。本発表を通じ、FHIRの小さなテストケースを早期に開始することで、課題解決の糸口になるのではないかと考え、提案する。