[3-B-1-06] 透析医療における医療情報標準化の課題と展望
hemodialysis, dialysis machine, central monitoring system,, The Japanese Society for Dialysis Therapy, disaster
末期慢性腎不全に対する標準的治療である血液透析は生命維持のために週3回の治療を必要とする。特に病態が安定した透析患者に対して行う維持透析については、医師が定型的なフォーマットで指示した治療条件で繰り返し行うことになる。維持透析自体ある程度標準化されており、またその治療のバリエーションは多くないこと、更に治療条件の多くは透析機器の設定に関するものであることから、血液透析治療と医療情報の標準化は比較的親和性が高く、透析装置を一括管理するシステム自体は1980年頃に登場し、現在は多くの透析施設で使われている。しかしながら、透析装置管理システムはそれぞれのメーカーが開発しており他社間では基本的に互換性はなく、日本透析医学会が行ってきた透析装置の通信プロトコールの標準化も十分活用されてきたとは言い難い現状である。
透析患者は、合併症の治療のための入院や、旅行先での一時的な透析患者の通院など、かかりつけ施設以外で透析治療を受けるケースがしばしばあり、医療施設間の診療情報共有の必要度が高いが、上記のように透析治療自体は医療情報の標準化と親和性が高いにもかかわらず、透析管理システムから情報を紙に打ち出しFAXで送信するというような前近代的な方法が普通に用いられているのが現状である。
血液透析は大量の水道水と電気を必要とする治療である事から、災害によるインフラ損壊に大きな影響を受ける。また治療の間隔が空いてしまうと最悪命にも関わることから、透析は災害に弱い治療と認識されてきた。災害によって自施設での透析ができなくなった場合、透析可能な他施設に依頼して行うことになるが、これが多人数になった場合、患者情報を伝えるための負担は大変大きなものとなるため、有事においても医療施設間の診療情報共有のメリットは大きい。
本セッションでは特に医療現場の視点で今後の透析の医療情報標準化の方向性を論じていきたい。
透析患者は、合併症の治療のための入院や、旅行先での一時的な透析患者の通院など、かかりつけ施設以外で透析治療を受けるケースがしばしばあり、医療施設間の診療情報共有の必要度が高いが、上記のように透析治療自体は医療情報の標準化と親和性が高いにもかかわらず、透析管理システムから情報を紙に打ち出しFAXで送信するというような前近代的な方法が普通に用いられているのが現状である。
血液透析は大量の水道水と電気を必要とする治療である事から、災害によるインフラ損壊に大きな影響を受ける。また治療の間隔が空いてしまうと最悪命にも関わることから、透析は災害に弱い治療と認識されてきた。災害によって自施設での透析ができなくなった場合、透析可能な他施設に依頼して行うことになるが、これが多人数になった場合、患者情報を伝えるための負担は大変大きなものとなるため、有事においても医療施設間の診療情報共有のメリットは大きい。
本セッションでは特に医療現場の視点で今後の透析の医療情報標準化の方向性を論じていきたい。