[3-C-3-06] 歯科診療時における顔面領域映像の歯列弓検出モデル構築
Dentistry, Anatomy, Dental arch
近年、歯科診療そのものを一つの観察対象とし、それに対して記録を行い解析しようとする動きが見られる。西本ら(2022)は歯科用チェアユニットに着座した患者を対象として、診療中における顔面領域の動画撮影を行い、機械学習を用いて診療器具の位置検出による診療部位特定を行った。しかし、医療安全面などでの応用を考慮すると、診療部位特定の精度は十分高いとはいえない。その原因の一つに、口腔内と顔面上に設定したランドマークの認識精度が不足していることが挙げられる。
本研究では歯列弓の特定によるランドマーク認識精度向上を目的とした。
歯列弓の特定により、1)歯列弓の標準から外れて検出された歯牙を誤検出として判定でき、さらに2)標準的な歯冠幅径のデータを用いて歯列弓上で未検出の歯牙の位置推定ができ、診療部位特定の精度向上が期待できる。そこで本研究では診療中の患者の動画をフレーム毎の画像データに分割し、この画像の中の歯列弓を求めることから始めた。歯列弓は一般に放物線であるといわれている。顔面のランドマークから放物線の軸を特定し、この軸上に頂点を取り、その頂点と歯牙を通る放物線の開きを特定し、その開きの分散を求めた。頂点を動かし、二次関数の係数(放物線の開き)の分散が最小となるとき、その放物線を画面中の歯列弓とした。結果、目視にて歯列弓の描写が確認できた。
口腔内と顔面のランドマークの位置情報のみでは完全な歯列弓の描写には至らなかったが、演繹的に解剖学的な知識をパラメータとして認識モデルに与えることで歯列弓検出モデルの精度向上が期待できることが期待できる。加えて十分な精度の歯列弓を用いると、検出されたランドマークの検証や未検出の口腔内のランドマークの特定を行えることが期待できる。
口腔内と顔面のランドマークの位置情報から放物線の特定が可能であることが分かった。
本研究では歯列弓の特定によるランドマーク認識精度向上を目的とした。
歯列弓の特定により、1)歯列弓の標準から外れて検出された歯牙を誤検出として判定でき、さらに2)標準的な歯冠幅径のデータを用いて歯列弓上で未検出の歯牙の位置推定ができ、診療部位特定の精度向上が期待できる。そこで本研究では診療中の患者の動画をフレーム毎の画像データに分割し、この画像の中の歯列弓を求めることから始めた。歯列弓は一般に放物線であるといわれている。顔面のランドマークから放物線の軸を特定し、この軸上に頂点を取り、その頂点と歯牙を通る放物線の開きを特定し、その開きの分散を求めた。頂点を動かし、二次関数の係数(放物線の開き)の分散が最小となるとき、その放物線を画面中の歯列弓とした。結果、目視にて歯列弓の描写が確認できた。
口腔内と顔面のランドマークの位置情報のみでは完全な歯列弓の描写には至らなかったが、演繹的に解剖学的な知識をパラメータとして認識モデルに与えることで歯列弓検出モデルの精度向上が期待できることが期待できる。加えて十分な精度の歯列弓を用いると、検出されたランドマークの検証や未検出の口腔内のランドマークの特定を行えることが期待できる。
口腔内と顔面のランドマークの位置情報から放物線の特定が可能であることが分かった。