一般社団法人 日本医療情報学会

[3-C-4-01] 薬剤禁忌・アレルギー情報を共有し活用するための課題
ー医療安全管理者の立場からー

*滝沢 牧子1 (1. 埼玉医科大学総合医療センター 医療安全管理学)

Patient Safety, Drug Allergy, prescription alert

適切かつ安全な薬物療法のためには、患者情報の入手と共有が必須である。患者の年齢、体重、診断や病歴、臓器機能、妊娠の有無、薬剤のアレルギーや副作用の履歴など患者固有の正確な臨床情報の収集は医療従事者にとって薬物治療を行う前提となるものである。特に、薬剤禁忌・アレルギー情報については、薬剤によるアナフィラキシーの既往など、再投与を避けるべき薬剤関連の情報が適切に共有されることは患者安全のためにきわめて重要である。薬剤関連の事故防止においては、処方する医師、処方監査し調剤する薬剤師、投薬・ 服薬に関わる本人や家族、看護師など多くのステークホルダーがおり、適切な情報が提供・収集され、共有されて有効に活用されることが事故防止につながる。一方、これらの薬剤禁忌・アレルギー情報がどのように収集され、電子カルテシステムへ入力されてどのような情報として持つか、また、どのようにその情報が活用されるかについては、標準化された方法はなく、施設ごとに運用されており、課題がある。本公演では、医療の質・安全学会と医療情報学会の合同委員会での議論を踏まえ、医療安全管理者の立場から、この課題とその背景について整理し、考察したい。