一般社団法人 日本医療情報学会

[3-C-4] 薬剤禁忌、アレルギー情報の共有と医療安全

*武田 理宏1 (1. 大阪大学)

医療機関の役割分担により、一つの疾患であっても、複数の医療機関で診療が行われることが当たり前の時代となり、診療情報の共有は重要な課題となる。薬剤禁忌・アレルギー情報は、一度、医療機関に登録された以降、生涯にわたり共有すべき診療情報である。 医療DX令和ビジョン2030で示される全国医療情報プラットフォーム、電子カルテ情報の標準化の議論において、3文書・6情報が取り上げられるが、6情報にはアレルギー情報、薬剤禁忌情報が含まれ、これらの仕組みを使った薬剤禁忌・アレルギー情報の適切な共有が期待される。 一方、電子カルテに登録される薬剤禁忌・アレルギー情報は、医療機関ごとにその粒度や記録方法は様々で、単純に医療機関間で受け渡すことは困難である。また、近年、Personal Health Record(PHR)が注目されており、禁忌・アレルギー情報はPHRに引き継ぐことで、患者自らが確認する情報となるため、患者目線での議論も必要となる。 本セッションでは、禁忌・アレルギー情報の共有について、医療安全担当者、医療情報担当者の目線で問題を提起すること、医療DX令和ビジョン2030やHL7 FHIR JP Coreで禁忌、アレルギー情報の取り扱いについて理解を深めることで、今後の禁忌・アレルギー情報の共有のための課題について議論を行うことを目的とする。