[3-D-3-01] 医療機関における情報セキュリティ人材の育成と配置に向けて
医療分野はその機能が障害された場合、国民生活・社会経済活動に多大なる影響を及ぼす恐れが生じる重要インフラ分野の1つに定められる。また、政府は医療DX推進本部を設置し、医療機関は医療DXを進める必要がある。一方、近年、医療機関におけるサイバー攻撃被害が増加しており、実際に、サイバー攻撃により、長期にわたり診療が停止し、地域医療の安全性を脅かす事案が発生している。 政府の有識者会議において、2022年9月に「医療機関のサイバーセキュリティ対策の更なる強化策」をとりまとめ、医療機関向けサイバーセキュリティ対策研修の充実、医療分野におけるサイバーセキュリティに関する情報共有体制(ISAC)の構築、インシデント発生時の駆けつけ機能の確保ならびに対応手順の作成と訓練の実施等の短期的な策を講じている。また、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」の改定も行われた。 我々は、「安全な地域医療の継続性確保に資する医療機関における情報セキュリティ人材の育成と配置に関する研究」を受託し、安全・安心な地域医療を継続的に維持確保するために必要な保健医療福祉分野の特性を理解した情報セキュリティ人材の育成とキャリア形成、適材配置、協働体制整備に必要な教育カリキュラム、キャリアデザイン、適材配置計画、協働体制制度等の策定を目的に調査研究を行っており、その研究進捗の報告を行う。