[3-D-3-04] サイバーセキュリティ人材育成に関するIPAの取組み
Cybersecurity, DX, Nurturing Talents and Professionals, WISOM-DX
IPAは,社会の仕組みをデジタル対応させていくためのアーキテクチャ設計・データ標準化を推進しながら,デジタルトランスフォーメーション(DX)の促進,サイバー・フィジカル一体化時代におけるサイバーセキュリティの確保やデジタル人材育成などに取組んでいる.コロナ禍により世の中のデジタル化が加速するとともに,DX を推進する中で,デジタル人材不足が大きな課題として認識されてきている.日本における2022 年のサイバーセキュリティ関連従事者は約 38.8 万人と推定され,40.4% 増加しているが,サイバーセキュリティ人材の不足は5.6万人で,前年よりも37.9%不足数が増加している.これには,IT・セキュリティベンダー等の専門的なセキュリティ人材,企業情報システム部門等のセキュリティ人材以外に,DX を推進する中でセキュリティ人材が求められる領域が広がっていることが大きな要因と推測される.この状況に対して政府は,2026 年度末までにデジタル推進人材230 万人を育成する方針を打ち出している.デジタル推進人材の五つの人材類型の一つとしてサイバーセキュリティ人材が挙げられている.サイバーセキュリティ人材は,業務プロセスを支えるデジタル環境におけるサイバーセキュリティリスクの影響を抑制する対策を担う人材である.本稿では,デジタル人材の育成・確保,DX 推進スキル標準におけるサイバーセキュリティ人材,産業サイバーセキュリティ人材育成に関するIPAの取り組みを紹介する.