[3-D-3] 医療分野のセキュリティ人材の育成をどうするか
Cyber security, Medical Information security, Human resource development
近年、日本国内外において医療機関へのサイバー攻撃による被害が多く報告されており、国内においても複数の医療機関が被害を受けている。医療分野は政府が定める重要インフラ分野のひとつであり、地域医療を支える医療機関が長期にわたり診療が停止することがないように万全の対策が望まれる。本年4月に医療法施行規則が改正され、医療機関の管理者が遵守すべき具体的事項として、サイバーセキュリティの確保について必要な措置を講じることが定められたほか、厚生労働省から同年5月に公表された「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版」では、医療機関の経営管理層の関与をはじめ、情報セキュリティに関する組織的な対応を強く促す内容に改訂されたところである。 これから医療DXを推進していくためには、国民や患者が安心できるように、サイバーセキュリティが確保された環境を構築し、その環境を継続して維持していかなければならない。しかし、医療分野では情報セキュリティに対応できる人材の不足が指摘されており、知識、技術、経験を有する人材の育成が急務となっている。医療分野においては、診療業務をよく理解し、医療をとりまく技術動向等を踏まえたなかで対策を講じていくことが肝要であり、現在、厚生労働行政推進調査事業費により「安全な地域医療の継続性確保に資する医療機関における情報セキュリティ人材の育成と配置に関する研究(23IA2007)」(研究代表者:大阪大学 武田 理宏 教授)のなかで人材育成と配置について研究が進められている。 本セッションでは、厚生労働省医政局 岡本 潤 室長補佐、日本病院会 大道 道大 副会長、情報処理推進機構 奥村 明俊 理事のほか、学会内の有識者に登壇いただき、医療機関等において、情報セキュリティを継続的に担える人材の必要性や、その人材に求められるスキルセット、スキルレベルについて議論する。