Japan Association for Medical Informatics

[3-D-4-03] Medical innovation for patient-centered medicine by sharing unique device identification and personal medical information

*Masuo Kondoh1, Yoshiaki Yamagishi2, Toshikatsu Washio3, Tatsuhiko Arafune4 (1. Graduate School of Pharmaceutical Sciences, Osaka University, 2. Department of Medical Innovation, Osaka University Hospital, Osaka University, 3. Health and Medical Research Institute, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 4. School of Science and Engineering, Tokyo Denki University)

オンライン診療・服薬指導に端を発した医療のデジタルフォーメーション(DX)の急速な進展により、従来の医療機関中心の医療から、在宅医療機器やウェアラブルデバイス等を用いた患者中心の医療へと医療概念のパラダイムシフトが生じている。例えば、在宅医療機器やウェアラブルデバイス等を用いることで患者の治験参加における距離的・時間的制約を緩和する患者中心の治験(バーチャル治験)といった新しい治験コンセプトもうまれている。

 これら患者中心の医療の実現では、患者安全や臨床開発に応用する際のデータの信頼性を確保するため、医療機器のトレーサビリティ確保および複数の医療機器等から得られたデータを統合して記録・利活用すること(相互運用性確保)がより一層重要になる。トレーサビリティの確保では、GS1コード等のUnique Device Identification(UDI)の利用が期待されているものの、未だ流通段階での利用に留まっており医療現場での利活用は十分に進んでいない。また、医療機器の相互運用性についても、データや情報の相互運用における課題が抽出された状況でしかない。

 上記の背景を踏まえ、令和4年度より、AMED医薬品等規制調和・評価研究事業において、「医療機器の情報共有による患者中心の医療イノベーションに関する研究班(JP22mk0101245)」が立ち上がり、医療機器を利活用した医療のDXを推進するため、各種ステークホルダーとの密接な連携の下、医療現場でのGS1コード利用の普及に関する調査研究および医療機器のデータ・情報の相互運用性や信頼性確保に関する調査研究が開始された。

 本発表では、当該研究班における調査研究のProgress reportをご紹介させて頂き、医療機関におけるGS1コード利活用の現状・課題・展望について、議論したい。