一般社団法人 日本医療情報学会

[3-D-4-05] 産業界からみた医療機器バーコード表示の現状と今後

*大畑 卓也1 (1. (一社)日本医療機器産業連合会 UDI委員会)

医療機器産業界としては、20年超にわたり、バーコード表示の標準化と貼付の推進に取り組んできており、法施行前の2020年9月末時点の行政調査で、医療機器の97.2%のバーコード表示がなされ、89.9%がデータベース登録されている状況にある。 産業界において、流通過程でバーコードを利用することは標準となっているが、2022年12月施行のバーコード表示法制化は、これまでの流通効率化に加え、医療安全への貢献が掲げられている。これの実現には、医療機関でのバーコード利活用は必須と考えるが、それが思いのほか進んでいないことは、2019年3月開示の「医療機関におけるUDI利活用推進事業報告書」からも伺え、それは現在に至っても大きく変わっていないと認識している。
現状において、完璧とは言えないまでも、前述のバーコード表示率等に一定の成果はでていることから、産業界が更に推進するバーコード表示等のインフラ整備は、単に海外規制との整合を図るのではなく、本邦の医療機関がその利用によって生みだせる新たな価値を互いに握り合って進めていきたい。それはきっと産業界自体にも新たな価値をもたらすものであり、医療の未来を見据え、産官学それぞれが社会的使命として実現すべきものとして、その進む方向性とアクションを関係者と議論したい。