一般社団法人 日本医療情報学会

[3-E-1-01] JASPEHR Project概要:FHIR Questionnaireを活用した臨床情報の収集の背景と現状

*美代 賢吾1,2 (1. 国立高度専門医療研究センター医療研究連携推進本部、2. 東京大学大学院医学系研究科医療AI・デジタルツイン開発学)

電子カルテ由来のリアルワールドデータ(RWD)の活用に注目が集まっている。政府が推進する医療DXにおいても、電子カルテデータの一次利用および二次利用が議論されている。特にゲノム医療においては、ゲノム情報と紐づける臨床情報の取得が重要な課題であり、検体収集後なかば自動的に解析が進むゲノム解析に比べ、人手に頼っている臨床情報の収集の自動化・効率化が求められている。 全ゲノム解析等実行計画2022では、がん領域および難病領域でのゲノム解析を進めるとともにそれに付随する臨床情報収集についても検討を進めており、電子カルテから情報抽出するためのシステム開発が進められている。 全ゲノム解析等実行計画においては、カルテ等に記載される非構造化情報を一次利用、二次利用のためにテンプレートにより構造化して記述し、それを収集する仕組みが開発・導入されている。電子カルテベンダーに依存しない共通のテンプレート記述言語としてFHIR Questionnaireをベースとしたプロファイル(以下、JASPEHRテンプレート)を採用し、JSON形式の定義ファイルを各社の電子カルテが読み込むことで、統一的な入力テンプレートとFHIR Questionnaire Responseによる標準化された出力を実現している。本セッションでJASPEHR Projectによるテンプレートのそれぞれの取り組みを紹介するにあたり、JASPEHRプロジェクトの背景と現状について、その概要を説明する。