一般社団法人 日本医療情報学会

[3-E-1-04] EDC「REDCap」のJASPEHR対応:AMED革新的がん医療実用化研究事業における臨床情報自動収集の取り組み

*太田 恵子1,2 (1. 大阪公立大学、2. 愛媛大学)

国が策定している「全ゲノム解析等実行計画」に基づき、AMED革新的がん医療実用化研究事業において、関連施設から収集された検体を用いた全ゲノム解析と臨床情報の収集及びクラウド上での管理が進められている。将来的には蓄積されたデータを用いた研究・創薬に繋げる構想となっている。
臨床研究におけるデータ収集ではElectronic Data Capture(EDC)システムが広く活用されているが、多くの場合、データ収集は手作業で実施されており、時間とコストがかかると共にヒューマンエラーのリスクも高くなっている。本AMED事業での臨床情報収集はEDC利用から開始したが、令和4年度からはベンダー非依存の標準化された構造化診療記録と研究利用を推進しているJASPEHR Projectの仕組みを導入した。ベンダーに依存しない共通定義であるFHIR QuestionnaireのJSONファイル(JASPEHRテンプレート)に基づいて電子カルテのテンプレート画面が構築され、そこに入力されたデータはFHIR QuestionnaireResponseで出力、収集される。一方で、この収集方式に対応していない電子カルテを使用している医療機関(小規模な医療機関、クリニックなど)のデータも収集できるよう、国内外の医師主導の臨床研究で幅広く利用されている「REDCap」でJASPEHRテンプレートが利用可能となる機能を拡張した(JASPEHR-REDCap)。
JASPEHR-REDCapではJASPEHRテンプレートを用いた画面の自動作成機能に加え、項目間のマッピング設定機能によるFHIRサーバからのデータの自動取り込みも実装した。本セッションでは、JASPEHR-REDCapの取り組みについて紹介する。