一般社団法人 日本医療情報学会

[3-E-4-02] WHODrugGlobalのコード体系とISO IDMPの導入へ向けた様々な国際的な取り組み

*吉本 Tyrefors 容子1 (1. ウプサラモニタリングセンター(WHO医薬品モニタリングプログラム提携センター))

WHODrug Global, WHO Programme for International Drug Monitoring (PIDM), Drug Coding, ISO IDMP, Pharmacovigilance

サリドマイド薬害事件を受けて始まったWHO国際モニタリングパイロット研究が国際医薬品モニタリング制度として確立し、1977年のWHO総会、そして翌年のWHOとスウェーデン政府の合意に基づきその運用を任せられることになったのが、UMCウプサラモニタリングセンターの始まりである。現在プログラム参加国は170以上に上り、WHOの個別症例報告のデータベースVigiBaseは世界人口の99% をカバーしている。UMCはVigiBaseの維持管理を担当しており、現在MedDRAとWHODrugGlobalによりコード化している。 医薬品安全監視の視点に基づき、ADRに着眼点があるWHODrug Global薬剤辞書は、自ずと医薬品成分が主軸となったコード体系をもち、薬剤コードは11桁からなるインテリジェントコードであり、階層的な解析が可能である。凡そ150ヶ国から薬剤情報を収集しており、有効成分以外に、ブランドネーム、剤型、用量、ATCコードやテキスト、販売国名、MAHなどが収載されている。また、WHODrug薬剤コードの下部IDであるMedicinal Product ID (MpID)は、個別医薬品を識別することにも利用できる。国際的なISO IDMPの脈略では、WHO-UMCはGlobal IDMP Working Groupの創立メンバーでもあり、GlobalPhpIDのメンテナンスを担当することが期待されている。GlobalPhpIDは、WHODrugGlobalの中に、今後新項目とし追加される予定である。 本シンポジウムでは、WHODrugGlobalの内容並びにコード体系について、実例も用いて広く解説し、併せて薬剤コードの下部IDであるMpIDを、ISOI DMPの脈略で使用する南米や韓国等の事例も紹介し、国際的にISO IDMPの導入へ向けた様々な動きについても紹介したい。