[3-F-4-02] Bluetooth型接触確認アプリの技術評価とその現状
新型コロナウイルスによるパンデミックにおいて、政府は、携帯電話を活用した接触リスクの管理を目指した。しかし、政府が導入した接触確認アプリ「COCOA」は、混乱しながら導入、運用され、その効果を定量的に評価しないまま、運用が終了された。一方、諸外国からは接触確認アプリが有効に機能したとする報告もなされており、感染症危機管理における技術革新にわが国が取り残される状況が危惧される。そこで、我々の研究班では、接触確認技術の有効性と課題を明らかとし今後の発展へと繋げるための技術評価に取り組んできた。
評価に際しては、まず、接触データを集積できないというCOCOAの設計上の制約を解決するため、接触履歴を集積しうる研究用接触確認アプリ「Folkbears」を開発し、北見工業大学のキャンパス内における接触状況のモニタリングを目指した。なお、プライバシ保護のため、端末IDを匿名化すると共に、キャンパス内部での接触情報のみ収集するよう設計されている。
予備実験により、Bluetooth技術を用いた接触確認アプリは、電波の送受信状況により接触判定が完全でないことに加えて、接触データが断続的となるといった課題が明らかとなりつつある。また、スクリーニング技術として重要となる、感染の可能性のある接触のうち何パーセントを検知しえたのか、接触として検知した接触のうち感染リスクを有した接触が何パーセントであったのかという、感度や特異度の定量化基盤を構築しつつある。
接触確認アプリは、当初、普及率が一定水準を満たすまでは検知の効率が著しく低いという点が懸念され、その後、実運用を通じて感染対策に当たる保健所の業務を圧迫する弊害が指摘された。携帯電話関連技術を用いた感染症対策の発展に向けて、さらなる知見とエビデンスの蓄積に本研究による実測評価を通じて貢献したい。
評価に際しては、まず、接触データを集積できないというCOCOAの設計上の制約を解決するため、接触履歴を集積しうる研究用接触確認アプリ「Folkbears」を開発し、北見工業大学のキャンパス内における接触状況のモニタリングを目指した。なお、プライバシ保護のため、端末IDを匿名化すると共に、キャンパス内部での接触情報のみ収集するよう設計されている。
予備実験により、Bluetooth技術を用いた接触確認アプリは、電波の送受信状況により接触判定が完全でないことに加えて、接触データが断続的となるといった課題が明らかとなりつつある。また、スクリーニング技術として重要となる、感染の可能性のある接触のうち何パーセントを検知しえたのか、接触として検知した接触のうち感染リスクを有した接触が何パーセントであったのかという、感度や特異度の定量化基盤を構築しつつある。
接触確認アプリは、当初、普及率が一定水準を満たすまでは検知の効率が著しく低いという点が懸念され、その後、実運用を通じて感染対策に当たる保健所の業務を圧迫する弊害が指摘された。携帯電話関連技術を用いた感染症対策の発展に向けて、さらなる知見とエビデンスの蓄積に本研究による実測評価を通じて貢献したい。