Japan Association for Medical Informatics

[3-G-1-05] 新規診療報酬算定項目を獲得するためのユニークな検出手法の確立
~全国の同規模医療機関をベンチマークする~

*Teruhiro Nasu1, Riichiro Yatsuda1, Masashi Fujii1, Tomofumi Nakamura2,3 (1. 特定医療法人谷田会 谷田病院, 2. 熊本大学病院 血液、膠原病、感染症内科, 3. 熊本大学病院 中央検査部)

Medical service fees, Perl, Same word structure, Open data published by the Ministry of Health, Labor and Welfare

目的 超高齢化社会を向え、社会保障制度の見直し等の医療・福祉環境が変化していく中で、安定した経営を維持するための新規診療報酬が必要である。必要な設備投資や人件費を確保するため、獲得可能な新規の診療報酬算定項目を検出する。
方法 当院と同様の病棟構成の医療機関を検索し、診療報酬届出を比較する。当院未提出の診療報酬が新規に申請可能であるかを検討する。診療報酬届出は厚生局サイトから取得可能であり、医療機関の基本情報と届けた診療報酬が記載されたCSVである。一方で、病床機能報告は厚生労働省サイトから取得可能で、病棟構成、病床数、職員数などから構成されたCSVである。この二つのCSVを連結するためのキーが存在しないため医療機関名をキーとする手法を検討した。法人名の有無により文字列として一致しないケースと同一名称医療機関が散見された。そこで二つのCSVの医療機関名の文字列としての包含関係と住所から正確に紐づける手法を確立した。正確に紐づけることで同様の病棟構成の病院がどの診療報酬を届けているか特定できる。
結果 当院と同じく地域包括ケア病棟と医療療養病棟から構成される医療機関51施設を検出した。届出の件数による比較において、28件届けている当院は14位に位置する現状が確認された。
考察 本手法で新規診療報酬獲得のための知見を得ることができた。また、同様の病院と多角的な視点で比較することは、診療報酬以外にも新たな気づきになると考える。さらに、病床機能報告にある職員数や患者数情報から、病棟運営に関するベンチマークも可能である。一方で、大規模医療機関は、届け出数および病棟が多岐にわたり比較がやや困難になることが予想された。
結論 診療報酬届出と病床機能報告は、自院と同規模の医療機関を特定することを可能にした本検出手法の確立によって、新規の算定項目や病院運営に関する有用な知見を見出せるビッグデータとなり得る。