Japan Association for Medical Informatics

[3-G-4-06] 電子カルテデータを連動させた早期警戒スコアリングシステムの構築と課題

*Kazuhiro Kazuhiro Yoshida1,2, Yoshihisa sugimoto1, Naoko Ibuki2, Yuko Ogoshi2, Yosuke Kadota1, Tomohiro Ueda1,3, Shoichi Fujita4, Takayuki enoue4, Yoshihiko Mizuta4, Yumi Taga4, Kazutoshi Takase4, Shogo Ito4, Takashi Ashihara1 (1. 滋賀医科大学総合情報センター・医療情報部, 2. 滋賀医科大学医学部附属病院看護部, 3. 滋賀医科大学医学部附属病院薬剤部, 4. 滋賀医科大学クオリティマネジメント課医療情報係)

Electronic medical record data, National Early Warning Score 2, Rapid Response System

【背景】当院は2018年から院内急変対応システム(以下、RRS)の運用を開始したが、起動の困難さに課題があった。そのため、新たに特定行為研修を修了した看護師らで組織するCCOT(Critical Care Outreach Team)を立ち上げた。院内急変事案を調査した結果、RRSの起動基準にかかる異常兆候に懸念を持ちながらも起動されていない可能性が示唆された。【目的】CCOTは、個別に早期警戒スコア(以下NEWS2)等の客観的指標を用いて、患者の急変リスクをNEWS2で可視化し、病棟看護師等とリスク結果を共有する。今回CCOTのみならず、病棟看護師等が迅速に患者急変リスクを捉え、RRSの迅速な起動を目的に、電子カルテデータを連動しNEWS2をスコア化できるシステムを構築した。【方法】当院の電子カルテシステムでは、患者のバイタルサインデータを入力しても、警告メッセージを出したり、警戒スコアを算出させたりすることができない。今回、利用者が電子カルテと同様にログインすることで、患者のバイタルサインデータの最新値からスコア化し、警告値も表示させた急変リスクが見えるシステムを構築した。【結果】今回、NEWS2のスコア化ができるようになり、患者の急変リスクの可視化とCCOTが担う臨床現場でのOJT教育に役立てられている。しかし、患者によっては同時点での情報によるスコアではなかったり、データに欠損があったりすると、正しくスコア化されず急変リスクを適切に表示させることが難しい。【考察】NEWS2のスコア化に必要な患者の意識レベルや呼吸数といったネグレクトバイタルサインの適切な記録が重要であり、その教育が必要である。また、急変事例やNEWS2の結果をさらに分析し、当システムで表示させる効果的な情報についての検討が課題である。