一般社団法人 日本医療情報学会

[3-H-1-07] 急性期脳梗塞患者において、発症前が独居群と同居群に関するケースコントロール研究

*山本 節子1、小野 史博1、有田 裕美1、福本 颯太1 (1. 医療法人河内友紘会 河内総合病院)

stroke, living alone, living together, return to home

目的 急性期脳梗塞患者において独居群同居群の2群間の背景因子よりU検定、カイニ乗検定、ロジスティック回帰分析を用いて有意差の有無を検証する。方法2018年1月~2022年12月の急性期脳梗塞退院患者552人(独居群149人同居群403人)を対象とし、2群間において①~⑪について検証する。②~⑤はU検定、⑥~⑩はカイニ乗検定を使用する。統計学的解析はEZRを用い、有意水準は5%とする。①独居群、同居群における患者構成②平均発症年齢③発症から来院までの時間④在院日数⑤リハビリ日数⑥来院の種類⑦既往の有無⑧退院時mRS⑨退院経路⑩併存症⑪自宅復帰に関与する因子のロジスティック回帰分析結果①独居群、同居群の患者構成ではそれぞれ独居群では男女比48対52、同居群では60対40。年齢別では2群ともに男性では70歳代、女性では80歳代が最多となった。②2群間の平均発症年齢では有意差なし。③2群間の発症から来院までの時間では有意差あり。④2群間の在院日数では有意差なし。⑤2群間のリハビリ日数では有意差なし。⑥2群間の来院の種類では有意差あり。⑦既往の有無では有意差なし。⑧2群間の退院時mRSでは有意差なし。⑨2群間の退院経路では有意差なし。⑩2群間の併存症では有意差なし。⑪自宅復帰に関与する因子では同居群では在院日数に有意差あり。独居群では在院日数・性別において有意差ありとなった。考察①の結果より、同居独居群の家庭背景に男女比の差はないが、女性より男性の方が若年発症しやすいと考察した。③⑥の結果より同居群の方が来院まで短時間で他力来院が多いことから独居の患者に関しては可能な限り見回り等の体制作りが必要であると結論した。⑪の結果より自宅復帰は2群間どちらも在院日数に深く関連していると予測した。また独居群に関しては男性の方が自宅復帰しやすいと推測した。