一般社団法人 日本医療情報学会

[3-H-4-02] 6NC電子カルテ情報統合データベースにおけるJLAC11導入の検討

*櫻井 理紗1,2、熊谷 千尋2,3、星本 弘之3、北村 真吾2,4、渡辺 浩2,5、三井 誠二2,6、渡部 大介2,7、平松 治彦1、美代 賢吾2,3 (1. 国立循環器病研究センター, 2. 国立高度専門医療研究センター 医療研究連携推進本部, 3. 国立国際医療研究センター, 4. 国立精神・神経医療研究センター, 5. 国立長寿医療研究センター, 6. 国立成育医療研究センター, 7. 国立がん研究センター)

JLAC10, JLAC11, mapping

JH(国立高度専門医療研究センター 医療研究連携推進本部)では、6つのナショナルセンターの診療データを統合、蓄積する6NC-EHRsを構築している。収集項目のうち検体検査は、標準化対応としてJLAC10への変換を優先的に進めている。JLAC 10には種々の課題が報告されており、課題を考慮したJLAC11の整備が進められている。しかし、JLAC10からJLAC11の変換については実際の変換に関する課題やコストについての報告は少ない。
本研究では、6NC-EHRsに集積された各施設の検体検査データについてJLAC10からJLAC11への変換の試みについて報告する。
6NC-EHRsで研究利用要望の多い項目に対して(A)各施設でJLAC10付与された486種類(17桁)と、(B)測定法の3桁コードを削除した414種類(14桁)について、JLAC10-11対応表による機械的な変換を行った。なお、(B)群は、JLAC10-11対応表から測定法と結果単位を削除したものを用いている。
結果、(A)群は約22%、(B)群は約23%が機械的な変換が可能であった。(B)群については、JLAC11の識別・結果単位の0埋めを実施したところ、約44%が機械的な変換が可能となった。変換不可能であったケースのうち、分析物や識別コードにおいて変換ルールの整備不足が要因であった。特に(B)群については、識別コードの変換ルールの提供がないために変換できないものが94種類(約23%)あった。また、MEDISの対応表のうち、57種類はJLAC10に比べてJLAC11の粒度が細かいために変換できなかった。
以上より、対応表を用いれば効率的に変換できるが、識別コードの変換ルールや試薬などの追加情報等があればより高い変換率が得られると考えられる。今後、効率的な変換方法について詳細な検討を進める予定である。