一般社団法人 日本医療情報学会

[3-H-4-04] 厚生労働省標準規格HS017を用いた線量管理の検討

*古田 和久1、森 章浩1、横山 栄作1 (1. JA愛知厚生連 江南厚生病院 診療放射線室)

HS017, JJ1017, DICOM RDSR, DRLs, Computed Tomography

【背景】
医療法施行規則改正に伴い、被ばく線量管理が義務づけられた。また特定機能病院において画像診断管理加算3に線量管理が算定要件として記載されている。
【目的】
DICOMフォーマットであるRadiation Dose Structured Report(RDSR)を用いて日本の診断参考レベルに記載されている線量値(DRL値)と比較する上で、JJ1017指針が線量管理に利用可能か検討した。
【方法】
RDSRを元にデータベースを作成し撮影部位を表すTarget Region(TR)とJJ1017コード(JJ)を抽出条件として各プロトコルの検査件数、CT Dose Index volume(CTDIvol)とDose Length Product(DLP)を抽出しDRL値と比較した。
【結果】
検査件数の比較では頭部はTRが2206件、JJが2065件、胸部はTRが5854件、JJが2203件、胸部~骨盤はTRが8277件、JJが3133件となった。CTDIvolでは頭部はTRが53.86mGy、JJが54.30mGy、胸部はTRが11.02mGy、JJが10.57mGy、胸部~骨盤はTRが10.85mGy、JJが10.87mGyとなった。TR、JJともにDRL値を上回らなかった。DLPでは頭部はTRが1004.67mGy•cm、JJが1019.76mGy•cm、胸部はTRが630.24mGy•cm、JJが414.27mGy•cm、胸部~骨盤はTRが706.03mGy•cm、JJが794.70mGy•cmとなった。DRL値と比べ高値を示したのはTRの胸部1相であった。JJではいずれもDRL値を上回らなかった。
【考察】
JJ1017はプロトコルの内容を不足なく表現できたため抽出の精度が向上した。
【結語】
RDSRを用いてDRL値と比較する上でJJ1017を抽出条件とすることで比較ができた