Japan Association for Medical Informatics

[3-H-4-06] FHIR REST APIを利用したがんゲノム臨床情報収集項目テンプレートの送信実験

*Shunsuke Doi1, Tomohiro Mitani2, Maya Tanabe3, Ikuo Tamai3, Yusuke Okuma3, Kazuhiko Ohe2, Tatsuya Suzuki3 (1. 千葉大学医学部附属病院, 2. 東京大学医学部附属病院, 3. 国立がん研究センター)

HL7 FHIR, Cancer Genomics, Standardization

ゲノム医療の普及に伴い、がんゲノムプロファイリング検査数の増加が見込まれる一方、がんゲノム情報管理センターに臨床情報の登録を行う医療機関の負担軽減が課題となっている。これを解決するためには、より汎用的な方法で電子カルテから自動的に臨床情報を収集し、送受信を可能とするシステムが必要である。そこで本研究では、次世代医療情報標準規格であるHL7 FHIRを利用し、臨床情報をFHIR REST APIで診療拠点からセンター側に送信する実験を試みたので報告する。方法として、1)臨床情報収集項目テンプレートの全項目をFHIR Document形式で保存し、2)センター側に用意したFHIRサーバに対してFHIR REST APIを利用してデータを送信、登録する実験を行った。1)については、臨床情報収集項目8テンプレート164項目を section要素単位でグループ化し、リソースをFHIR Documentとして表現した。2)について、センター側に健康医療情報標準流通基盤技術研究組合が開発したFRUCtoSをFHIRサーバとして用意し、IPsec VPNを通してデータをPOSTして登録した。結果として、Postmanを利用した送信実験においてFHIR Documentを正常に送信することが確認でき、またセンター側でもリソースの表示・検索ができることを確認した。考察として、本研究ではテンプレートを表現するためにFHIR Documentを利用したが、これではリソースの分解登録ができず、個々のリソース内の情報で検索ができないことがわかった。実際にデータの二次活用を考慮すると、将来的にはBundle内のリソースは分解登録できるようにすべきであり、今後の課題とする。本研究はFHIRにおける1ユースケースに過ぎないが、今後同様の研究用データにおける利用に幅広く展開が可能であると考える。