[3-I-2-01] 社会医学系専門医協会認定社会医学系専門医研修プログラム(医療主分野とする)を運営しての課題と現状
社会医学系専門医制度設立時より、名古屋大学では公衆衛生関係の先生方を中心として、社会医学系専門医研修プログラムが用意されていた。同じように、全国に現在まで76の認定プログラムが存在するが、多くのものが公衆衛生関係のプログラムであり、日本医療情報学会の関係者が主体となったものは今まで存在せず、医療を主分野とするものすら、ほとんど存在しない状況であった。そのため、医療機関や教育機関で働きながら専攻医になり、社会医学系専門医を習得する道は限りなく厳しいものであり、日本医療情報学会の会員より、どのようにして資格を取ったら良いのかという問い合わせが日本医療情報学会の方に寄せられた。そこで、2022年より、東海地区の日本医療情報学会をキー学会とする全ての指導医にご協力していただき、「東海医療情報学社会医学系専門医研修プログラム」を試行的に立ち上げた。このプログラムは、求められる3分野のうち医療を主分野とし、医療機関や教育機関で働きながら専攻医となることを想定したプログラムであり、将来想定されている2階建て部分の「医療情報学専門医(仮称)」の基礎となる研修を意識している。2022年度は3名、2023年度は3名と、この抄録作成時点で厚労省のプログラムから移行手続き中の専攻医1名がいる状況であり、認知度が上がるにつれて問い合わせ件数が増えてきている現状があり、潜在的なニーズは存在しているように感じている。この1年数ヶ月、研修プログラムを運営してきての課題と現状を整理することによって、今後同様に医療機関や教育機関で働きながら専攻医となることを想定した医療主分野の研修プログラムを立ち上げる際の参考になれば幸いである。