一般社団法人 日本医療情報学会

[3-I-3-07] 斜面傾斜地用、高齢者及び歩行弱者向け電動アシスト手摺開発

*樫山 和久1 (1. 大阪公立大学大学院 情報学研究科)

Health information management, electric handrail, slope city

【研究背景】
日本では,昭和初期の頃から車両の進入が困難であるような傾斜地に住宅が建築された歴史背景があり斜面市街地と言われる地域に住む住民の高齢化が社会問題となっている.特に,高齢住民の中には単身者や歩行弱者などの生活困窮者が含まれ,住民への実現できるサポートが課題である.
 現状では,斜面市街地には坂道や階段に手摺を設置したり,途中に休憩所を設けたりするなどの対策が講じられているが,ゴンドラやエスカレーターなどの歩行補助のための設備を設置することは導入・維持費を考慮すると機器の導入は困難である.また,歩行補助設備が整備されない他の背景としては,斜面地の坂や階段の形状が複雑であること,住民による設置の理解が得られないことなどが挙げられる.
【研究目的】
以上の背景から,著者は電動手摺を開発し,長崎県内で実証実験を行った経緯がある.しかしながら,現状では直線レール上を電動手摺が移動して歩行補助を行うものであり,複雑な階段や坂で使用した場合に,過去の研究では肩関節運動領域が狭い高齢者や歩行弱者が不便を感じると指摘されている.本研究では,手摺支柱にレールを設置することでコストを掛けずに電動手摺の利便性を向上させ,ユーザの電動手摺の利用時の評価を行った.また,電動手摺利用時の姿勢データをセンサで計測し,ユーザにかかる身体的負荷の検証する準備を行う.
【研究成果と課題】
本研究で改良した電動手摺は,当初は四角形状で両手を使うものであったが、高齢者の平均的身長に合わせた手摺の高さや安全性をデザインに取り入れ、昇り降りどちらの場合でも片手を差し出すと掴める構造としたが利用者からは想定する様な評価は得られなかった,さらに初見では使い方が分からずサポートが必要だと言う事と利用時の改善として電動手摺使用する歩行弱者の肩関節運動領域のデータと身長などのデータを取り入れた人の動きの動作分析が必要である。