Japan Association for Medical Informatics

[3-J-1-01] AutoHotKeyを用いた自作短縮キーによる外来医師の電子カルテ操作負担の軽減

*Yuichiro Oishi1, Atsuki Shimizu1, Keiji Sugishita1, Ichiro Takeuchi1 (1. 苫小牧市立病院)

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【背景】泌尿器科外来診療において、医師は患者一人あたり数百回の左クリック、打鍵を行っている。加えてマウス操作は打鍵と比較して物理プロセスが多く、ポインタの注視・追視を要し、疲労や作業効率低下の一因となる。さらに煩雑な医師業務を反映して電子カルテの構造も複雑化しており、単一操作で目的の処理を実行できるUIが望まれる。 【目的】電子カルテ(MegaOakHR)の複数の操作を一括で実行する短縮キーを導入し、外来診療の負担がどの程度軽減したかを計測する。
【対象と方法】当院泌尿器科外来を受診した延べ684名の患者、短縮キーを使用する泌尿器科医師2名(開発者Aと初学者B)を対象とした。Auto Hot Keyというソフトウェアを用いて泌尿器科診療に最適化した短縮キーを実行するマクロを自作し、外来業務中の削減工数を計測した。
【結果】医師A/Bは患者一人あたり52.2/8.2回の短縮キーを使用し、83.6/64.1回の打鍵と108.1/27.5回の左クリックを代替、短縮キー1回あたりでは1.60/7.77回の打鍵と2.07/3.33回の左クリックを代替していた。
【考察】短縮キーにより患者あたり工数の削減、マウス操作のキーボード打鍵への代替が可能であった。短縮キーの習得には一定の修練を要するが、初学者は工数削減効果の高い短縮キーから習得する傾向が読み取れ、修練初期から工数削減効果を実感できると考えられる。
【結語】自作短縮キー導入により泌尿器科外来診療におけるマウス操作とキーボード打鍵の双方ともに削減可能であることを示した。