Japan Association for Medical Informatics

[3-J-2-03] プライベートLTE(sXGP)に対応したスマートフォン活用による 看護業務改善に向けた取り組み

*Norie Okabayashi1, Nobuko Nagai1, Shigeyo Uzawa1, Makiko Ishii1, You Isiguri1, Tomoko Moriguchi1, Sayaka Seto1, Syouko Matsushima1, Masumi Ai1, Yuji Uchimura1, Tomoaki Yamada1, Yasufumi Sakakibara2, Kenichi Yagura2, Yuma Waseda1 (1. 東京医科歯科大学病院, 2. 株式会社RYODEN)

Private LTE (sXGP), Nurse call system, Mobile phone

PHSサービスが終了するとの情報を受け、当院でも院内PHSに対する検討・対応が2020年より始まった。PHSの今後の修理や故障・新規購入への対応が難しくなることが想定され、PHSの代替としてスマートフォンを導入することについては比較的速やかに決定した。
看護師のPHSの主な使用用途はナースコールとの連動による患者対応と同職種・他職種との通話を目的としたコミュニケーションがあげられる。
しかし、医療機関や企業などで導入が進んでいるFMC方式を用いたスマートフォンはキャリア回線を経由するので災害時やキャリア側の設備に障害があった場合に輻輳を起こしナースコール連動に影響があることが大きな課題であった。
そこで、当院ではPHSと同じ周波数帯である1.9GHz周波数帯を使用するLTE方式の無線通信:sXGPの共同研究を2020年9月より開始し、sXGPとスマートフォンを活用したプライベートLTEによるローカル無線通信ネットワークを院内に構築し実証に向けての整備を進めてきた。今回、実証エリア(1フロア2病棟)にて、ナースコールに連動したスマーフォン:VoIP方式の使用を2023年4月より開始した。
信頼性、接続性、安全性を検証する目的で実証エリアに勤務する副看護師長にヒアリングを実施した。音声通話において特に院内PHSに対する音質が不安定との意見より2023年6月からVoLTE方式に変更し通話品質向上を図った。多様なアプリケーションをインストールできるスマートフォンには従来の使用目的に加え業務改善につながる使用が期待されている。実証エリアの看護師の要望を受け、電話帳機能・画像活用機能アプリ・チャットアプリ等をインストールし検証を続けている。これまでの経緯と今後の課題および将来性について報告する。