Japan Association for Medical Informatics

[3-J-2-04] 電子看護記録システムを利用した演習に必要な機能の検討

*Hitomi Sato1, Rika Yano2, Akira Endoh3 (1. 札幌市立大学看護学部・看護学研究科, 2. 北海道大学保健科学研究院, 3. 北海道大学病院医療情報企画部)

Nursing Informatics , Electronic nursing records for education, Nursing process

【序論】 Covid-19感染拡大により臨地実習は多大な影響を受け、学内やオンライン演習に切り替えざるを得なくなった。そこで、患者の状況を把握して看護過程を展開する演習をオンラインで行えないかと考えたが、既存の製品には学生の看護過程の思考訓練に適したシステムを見つけられなかった。このため、学生が個別に応じた看護過程の展開を訓練するための教材として、電子看護記録システムにはどのような機能が必要か、まず教育する側の考えを明らかにしたいと考えた。 【方法】 看護基礎教育に携わった経験が1年以上の研究計画に同意を得られた教員13名を対象に5回にわけてグループインタビューを実施した。インタビュー結果を逐語録に起こした後、テキストマイニング(KHコーダ)を用いて分析した。 【結果】 KHコーダーの共起ネットワーク図上では、①【「学生」「機能」「必要」「情報」「データ」】、②【「患者」「計画」「看護」「立てる」】、③【「実習」「カルテ」「電子」「行く」】、④【「演習」「使う」「事例」】、⑤【「変化」「見る」「見える」「日々」】、⑥【「作る」「気づく」「教材」「教員」「見せる」】の6つのカテゴリの関連が見えた。 最も頻度が多い語は、「学生」「情報」の90回で、次いで「機能」49回、「必要」46回、「患者」42回、「実習」と「見る」が36回であった。 【考察】 共起ネットワーク図では、①は「学生」がどのような傾向のため、どのようにデータをとらえて「情報」とさせるかを述べた意見が多かった。②と③④のカテゴリは、演習を実習前に位置づけると効果的という意見であった。⑤と⑥のカテゴリは、教育システム上でどのような教材を作成するかについて述べた意見群であった。⑤では日々患者の変化が見えるようにする場合と、あえて隠して変化に気づかせる部分が必要などの意見で、システムの機能と事例教材を作成する上での意見であった。