Japan Association for Medical Informatics

[3-J-2-05] 看護業務量調査における業務区分とキャリアラダーの比較
- 時間外勤務の有無に着目した評価 -

*Hirofumi Arima1 (1. 地方独立行政法人佐賀県医療センター好生館 看護部)

Nursing Workload Survey, Nursing Tasks, Career Ladder

(1)背景
A病院看護部では2021年度に看護業務のタスクシフトを目的に看護業務量調査を実施した。看護記録が看護業務全体の約13%の時間を要しており、看護記録の内訳や看護の経験値による違いを比較し、第61回全国自治体病院学会において報告した。今回さらに調査結果を業務支援や改善に役立てるため、時間外勤務(以下時間外)の有無に着目し、業務内容とキャリアラダーレベル(以下レベル)の見地から調査を行った結果を報告する。
(2)目的
時間外の有無による業務区分やレベルでの業務量に違いがあるのかをあきらかにする。
(3)方法
調査項目:日本看護協会「看護業務区分表」を基に、一部の行為名称と分類に改変し使用した。
調査対象:A病院看護部看護職員 看護師442名 (のべ1709名)。
調査期間:2021.11.8~2021.11.14 休日夜間を含む24時間とする。
集計方法:Power BIおよびMicrosoft Excelピボットテーブルを使用。
研究手法:後ろ向き調査研究(パイロットスタディ)。
比較内容:
1.レベル毎の区分別(7項目)業務量の比較。
2.レベル毎の時間外の有無と区分およびの比較。
統計解析:Mann-Whitney-U test、Holm法(多重性の調整)
統計ソフト:Easy-R
(4)結果
時間外の有無に関して、時間内の区分別の比較では、診療の補助・記録等で差がみられた。「時間外あり群と時間外なし群」の区分毎の比較では、「診療の補助・診療に伴う看護」と「記録」において「時間外あり群」で多い傾向にあった。
(5)考察
一部の区分とレベル間において差があることが明らかになったものの、その違いには共通性といった特徴は見られなかった。管理業務に携わる機会が多いレベルⅣとの比較において差が多くみられ、役割が結果に反映している可能性がある。今後の詳細な調査の中で明らかにしていきたい。