一般社団法人 日本医療情報学会

[3-J-4-02] 運動・口腔・栄養・休養領域の自己管理のための保健医療情報実証テスト

*渡邊 佳代1、大井 悠成1、山﨑 幸2、武政 睦子2、宮沢 春菜3、岡田 美保子4 (1. 川崎医療福祉大学 医療福祉マネジメント学部, 2. 川崎医療福祉大学 医療技術学部, 3. 新潟大学医歯学総合病院, 4. 一般社団法人医療データ活用基盤整備機構)

mHealth, self-management, evidence-based health apps, intervention

[目的] 健康寿命の延伸に向けて誰もが自身の生活状態を客観的に把握し管理することが求められているが、日々収集すべき情報や、その評価の方法は明らかとなっていない。そこで、運動・口腔・栄養・休養領域において、どのような目標を設定し支援することが生活習慣の改善、健康増進に繋がるのか、知見を得ることを目的として健康介入研究を実施した。本研究は倫理審査を経て行った。 [方法] 日々の目標と確認事項を提示して健康行動を記録するスマホアプリを開発して、健康介入を行った。対象はアプリ使用群17人、対照群16人である。使用群は「運動、口腔、栄養、休養、社会との繋がり等」に関する53項目(毎日:38項目、1週間毎:13項目、1ヶ月毎:2項目)を3カ月間、入力した。開始時と3か月後の終了時には後期高齢者の健康診断の質問票、身体検査情報(身長、体重、握力等)、個人の属性情報(運動習慣、入歯使用等)72項目の調査を実施した。また終了時のみ84項目の意識調査を実施した。対象者から収集した情報をもとに、アプリの適用可能性、経時変化、開始日と終了日の比較により、アプリによる健康介入の影響について評価した。 [結果] 栄養バランスに関しては「1週間チャレンジシート」10品目の摂取状況時系列データの7項移動平均近似直線から、使用群17人中9人が右肩上がりを示した。また10品目摂取に対する意識が、開始前から終了時で、使用群は41%→100%、対照群は25%→63%と向上した。自由記載では使用群で「魚、イモ類が不足していることが分かり、毎日の献立に役立っている」との回答を得た。 [考察及び結論] 本健康介入により10品目の食品群を摂取しようとする意識・行動の変容を促す可能性が示唆された。エビデンスの生成には、より長期的に、より多くの対象者で実施する必要がある。健康増進のための自己管理の一方法を提示することができた。